【2025年版】製造業のAWS導入25事例!メリット、課題と対策

AWS 事例

AWSは、製造、小売、金融、通信など幅広い業種で利用されています。近年、製造業においてもクラウド化の流れが加速しており、AWSの導入が重要な選択肢となっています。  
本記事では、製造業クラウド化の成功例として注目されるAWSの導入事例やIoT活用事例を中心に、代表的な成功例を多数紹介します。

製造業にてAWSの導入をご検討の際は、ITインフラによる工場ラインの運用効率化や、IoTプラットフォームを利用した生産設備の最適化にも多くの実績がある株式会社テクノプロへご相談ください。それぞれの目的に合ったAWSの導入や活用方法をご提案いたします。

AWS case studies in manufacturing1

Index

AWSの製造業への導入事例 25選!

AWS case studies in manufacturing2

ここでは、製造業のクラウド活用が進む中で注目される「AWS 製造業 事例」を25社分紹介します。  
IoT事例や基幹システムのクラウド移行、BCP対策など、さまざまな観点からAWSの導入効果が見えてきます。

また、2章では1章で紹介した事例の「導入内容」と「効果」に着目して一覧表にまとめていますので参考にしてください。

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社①

AWS case studies in manufacturing3

複合機・プリンターなどのオフィス機器の製造・販売事業を手掛ける富士フイルムビジネスイノベーション株式会社では、製品マニュアルなどを従来の紙ベースから公式HPサイトで提供することを検討していました。製品マニュアルなどを公式HPサイトで提供することで、スマートフォンやタブレットといった多様な端末から閲覧することが可能となる一方、オンプレミスのファイルサーバを使用することで資産管理などを含めた管理業務にかかる工数の課題もあり、クラウドベースのシステム構築を行うことになりました。

AWSを選んだ決め手は、クラウド内で仮想サーバの作成が出来る「Amazon EC2」とクラウドストレージの「Amazon S3」サービスの存在が大きな要因です。
AWSを導入したことに付随する主な効果としては2点ありました。1つ目に、オンプレミスの「サーバとしての機能」を「Amazon EC2」へ移行したことにより、ハードウェアの管理という縛りが消え、管理工数が大幅に削減されました。2つ目に、「ファイルサーバとしての機能」を「Amazon S3」へ移行したことにより、セキュリティを確保した上で、柔軟な運用が可能となり、運用コストが削減されました。
AWSにある様々な機能を活用して保守・運用などの業務の自動化やワークフローを実行するためのコンテンツ管理システムの構築などによるさらなるコスト削減に向けた検討を進めていく予定です。

引用:導入事例|富士フイルムビジネスイノベーション株式会社様|テクノプロ・エンジニアリング社

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社

AWS case studies in manufacturing4

複合機・プリンターなどのオフィス機器の製造・販売事業を手掛ける富士フイルムビジネスイノベーション株式会社では、OEM先との商品開発に関わる情報を共有するWebシステムを社内にオンプレミスで構築していました。しかし、オンプレミスのファイルサーバを使用することで資産管理などを含めた管理業務にかかるコストの課題もあり、運用保守を含めコストを抑えることができるクラウドサービスを使用してWebシステムの再構築を行うことにしました。

AWSを選んだ決め手は下記の4点になります。

・オンプレミスの環境をAWSの様々なサービスを利用して、迅速かつ容易に再構築できる
・ストレージのサイズを情報量の増加にあわせて、動的かつ容易に変更することができる
・AWSの機能を活用することで、これまでのストレージやサーバの稼働監視だけではなく、幅広い監視を行うことが可能となる
・ストレージのサイズ拡張やデータのバックアップなどを自動化することで運用保守に関わるコストを削減できる

AWSにある様々な機能を活用して保守・運用などの業務の自動化によるさらなるコスト削減に向けた検討を進めていく予定です。

引用:導入事例|富士フイルムビジネスイノベーション株式会社様|テクノプロ・エンジニアリング社

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社

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複合機・プリンターなどのオフィス機器の製造・販売事業を手掛ける富士フイルムビジネスイノベーション株式会社では、全世界中から毎日送信されてくる製品の稼働情報を処理するサーバをオンプレミスで運用していましたが、1台の製品で5年10年と稼働するうえ、毎年新製品がリリースされるため、毎日の稼働情報を処理する台数が将来に渡って増加することから、ハードウェアの拡張設計やサーバーダウン時の復旧に要する工数、トータルコストの課題を、将来を見据えて解決する必要があり、クラウド化することを検討していました。

AWSを選んだ決め手は、下記の3点になります。
・毎年2TB増加するディスク容量への迅速な対応ができる
・既存のDBを分離することにより、リアルタイム処理とデータ検索機能の性能向上が図れる
・アクセス頻度の低いアーカイブデータをS3に退避させることで稼働コストの低減ができる

AWSにある様々な機能を活用した分析作業の自動化や、さらなるコスト削減に向けたシステム構成の検討を進めていく予定です。

引用:導入事例|富士フイルムビジネスイノベーション株式会社様|テクノプロ・エンジニアリング社

象印マホービン株式会社

事業を支えるシステムは長年、自前で購入した物理サーバー上に仮想サーバーを構築したオンプレミス環境で運用してきました。しかし、全システムの約 4 割に相当する物理サーバーが一斉に保守期限を迎えることから、第 1 次基盤としてリプレースを検討。オンプレミスの継続とクラウドへの移行の 2 つを議論する中から、6 ~ 7 年先の長期的なコスト削減を見据えてクラウドを選択し、複数のサービスの中から AWS を採用しました。「コストを試算した結果、オンプレミスより安価で、品質や機能面でも遜色がなかったことからクラウド化を決断しました。AWS を選んだ理由は、次々と新サービスが提供されるメニューの多様さと、定期的な値下げで顧客に還元する姿勢です」と語るのは経営企画部 システムグループ長の松浦潤氏です。

引用:2021 年 6 月のフルクラウド化を目指しオンプレミス環境の業務システムの約 4 割を AWS に移行TCO を 30% 以上削減し、新たな IT 施策を実施できる環境を実現|AWS

ダイドードリンコ株式会社

コーヒー飲料などの清涼飲料水販売を手がけるダイドードリンコ株式会社。基幹システムのインフラ基盤をオンプレミス環境で運用してきた同社は、SCM(Supply Chain Management)システムのインフラ保守期限の終了に伴うインフラの最新化に際し、インフラコストの低減や新たな価値創出などを目的にアマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用。パートナーの NEC の支援を受け、インフラ移行とシステムのバージョンアップを完了しました。クラウド化により、試算通り 7 年間で 15% のインフラコスト削減を予定しています。

引用:AWS 導入事例ダイドードリンコ株式会社|AWS

株式会社イトーキ

オフィス家具の製造販売や、商業施設や物流施設の設備機器などの提供を通じて、人が働く環境づくりを行っている株式会社イトーキ。創業 130 年を迎える同社はクラウドを活用したデジタル変革に向けてオンプレミス環境にあった複数の業務系システムをアマゾン ウェブ サービス(AWS)へ移行し、人事システムや新基幹システムの SaaS 活用を実施。サーバー調達コストや期間を低減しながら、新しい技術をより早く導入することで利便性を向上していける環境を構築しています。

”AWS にシフトすると、情報システム部内にインフラ、ネットワーク、セキュリティ、アプリといった個別のテクノロジーに対する専門性を持たなくても、各種機能をサービスとして業務ユーザーに提供できるようになります。”

引用:デジタル変革に向けて、AWS 上に全社共通基盤を構築 生産管理などの基幹システムを移行し、SAP S/4HANA も 2021 年の稼働を目指し構築中|AWS

京セラ株式会社

情報通信、自動車関連、環境・エネルギー、医療・ヘルスケアを中心に幅広い事業をグローバルに展開する京セラ株式会社。独自の経営手法である“アメーバ経営”のさらなる推進に向けて基幹システムの刷新を決断した同社は、インフラ基盤にアマゾン ウェブ サービス (AWS) を採用。UNIX/COBOL 環境のオンプレミスシステムから最新のアーキテクチャによるクラウドベースのシステムへと進化を遂げました。新たなインフラ管理手法として Infrastructure as Code を採用し、構築の自動化を実現。M&A やユーザーニーズの変化に対して、より迅速な対応が可能になりました。

”ワールドワイドに展開するグローバルなインフラサービスであること、Infrastructure as Code によるサーバー構築の自動化が実現できること、OSS を低コストで柔軟かつ俊敏に利用できる環境が整っていたこと、の 3 点を評価して AWS の採用を決めました。”

引用:AWS 導入事例|京セラ株式会社

WHILL(ウィル)株式会社

すべての人の移動を楽しくスマートにする── WHILL は、さまざまな場所をシームレスにつないで快適に利用できるよう、デザインとテクノロジーを活用したパーソナルモビリティを開発しています。同技術・製品を活用した MaaS の提供も開始しており、自動走行・衝突回避機能を搭載したモビリティ「WHILL 自動運転システム」が羽田空港第 1 ターミナルに導入されました。IoT 基盤としてアマゾン ウェブ サービス (AWS) を採用し、効率のよいスピーディな開発と安定的な運用を実現しています。

”私たちにとって AWS はあたりまえの存在です。IoT に必要なパーツがマネージドサービスとしてそろっているため、私たちは MaaS の開発と改善に全力を注ぐことができるのです”

引用:すべての人の移動を楽しくスマートに羽田空港で走る次世代のモビリティ

株式会社 日立製作所

変革期にある自動車産業を読むうえでキーワードとなっている「CASE」。その 1 つである、ネットワークにつながるコネクテッドカーの普及が進んでいます。株式会社日立製作所の産業・流通ビジネスユニットでは、コネクテッドカーに搭載するソフトウェアを無線で更新する OTA(Over the Air)サービスプラットフォームをアマゾン ウェブ サービス(AWS)で構築。1,000 万台超の自動車からの接続に対応できるサービスの実現を目指し、サーバーレスアーキテクチャを採用したプロトタイプ開発を実施しました。プロトタイプ開発の結果から、EC2 インスタンスベースと比較して 50% 程度のコストを削減し、運用負荷も大幅に軽減できるという試算も得ました。

『自動車ソフトウェアを無線で更新する OTA サービスにサーバーレスアーキテクチャを採用し、コストを増やさず 1,000 万台超の接続を可能にする見通しを得ました。初めてのサーバーレスアプリケーションの開発でしたが、AWS の支援のおかげで 1 カ月で環境を構築し、開発期間も想定より短縮できました』

引用:CASE 時代におけるコネクテッドカーの増加に対応する次世代 OTA(無線による更新)サービス提供に向けたアーキテクチャ刷新にてAWS のサーバーレスアーキテクチャを活用1,000 万台超の自動車がつながる世界の実現へ|AWS

KYB 株式会社

四輪車や二輪車のショックアブソーバー、建設機械用油圧シリンダー、コンクリートミキサー車などの技術や製品を提供する KYB 株式会社。同社は 2017 年頃から、IoT や機械学習を活用した設備の予知保全の実証実験を開始し、翌年にはクラウドネイティブの予知保全システムが稼動。アマゾン ウェブ サービス(AWS)の活用により、オンプレミス環境と比べて 97% ものコストを抑えた予知保全システムを構築し、製品領域への IoT/AI 活用を推進しています。

”膨大な AWS のサービスから当社の目的に合ったものを選択できるよう、CTC や AWS の担当者に相談しました。マネージドサービスも含めていろいろな選択肢を吟味し、オンプレミスと比べてスピーディかつ、大幅に小さな初期コストで IoT プラットフォームを構築できました”

引用:IoT と機械学習で設備予知保全システムを構築AWS 活用により、従来の手法と比較して 97% のコスト削減を実現し、耐障害性も向上|AWS

日本食研ホールディングス株式会社

多彩な調味料や加工食品の製造・販売を手がける日本食研ホールディングス株式会社はオンプレミス環境で運用してきた販売物流システムのアマゾン ウェブ サービス(AWS)移行を決定し、パートナーの日本電気株式会社(NEC)の支援を受けて、大規模なサーバーとデータベースの移行を完遂しました。クラウド化により、バッチ処理の時間を 80 % 短縮するなど、パフォーマンスが大幅に向上。データセンター利用コストや運用コストを含めて総所有コスト(TCO)を 20 % 削減しています。

”今回のプロジェクトを通して AWS 環境を構築/活用する社内の人材の育成が大きく進んだため、今後は内製化によってプロジェクト費用の抑制効果も期待できます”

引用:約 9,500 品目の販売管理を司る販売物流システムを AWS に移行バッチ処理時間を 80 % 短縮し、TCO を 20 % 削減|AWS

東海理研株式会社

精密板金加工による製品とともに、IC キー・カード・生体認証などによる物理セキュリティ商品を展開する東海理研株式会社。自社のものづくり技術と IT を融合する商品開発にチャレンジするなか、スマートフォンを活用した顔認証の入退室管理システムを企画し、Amazon Rekognition を採用。従来のオンプレミス型製品が抱えていた課題を克服しながら、クラウド上に構築したプラットフォームからサービス・付加価値提供を行うビジネス変革を実現しています。

”Amazon Rekognition の活用と AWS のさまざまなサポートにより、自社の人員だけで顔認証を使った入退室管理システムを構築できました。今後も、ものづくりの技術とクラウドの活用でさらなる付加価値を提供するため新たなサービスを開発していきます。

引用:クラウドや機械学習の専門家がいない中ゼロから顔認証入退室管理プラットフォームを構築 ものづくりと AWS を掛け合わせ新たな価値を創造|AWS

ビジネスエンジニアリング株式会社

自社開発の SCM 統合パッケージ『mcframe シリーズ』のライセンス販売や、システムインテグレーションビジネスを通して日本の製造業を支援するビジネスエンジニアリング株式会社(以下、B-EN-G)。mcframe のミドルウェアに商用 DB を採用してきた同社ですが、近年はオープンソース(OSS)の DB を求めるユーザーが増えています。

そこで、2020 年 10 月にリリースした最新の『mcframe 7』で PostgreSQL に対応し、クラウド利用者向けに Amazon RDS for PostgreSQL でもシステム導入を可能にしました。マルチ DB 対応により顧客の選択肢が増え、商用 DB と同程度のインスタンスを約 42 % のコストで利用できるようになりました。

引用:SCM 統合パッケージ『mcframe 7』の DB を PostgreSQL に対応Amazon RDS for PostgreSQL の提供により商用 DB と同等のインスタンスコストを約 42 % に抑制|AWS

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

伊藤忠商事は、近年のビジネス環境や顧客ニーズの変化に応え、“マーケットイン・SDGs を支えるデジタル戦略”として多様なデータ活用とデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進。グループ横断のデータ活用基盤をアマゾン ウェブ サービス(AWS)上に構築しました。オンデマンドに各種ツールやセキュリティ機能を利用できるメリットを活かし、AI による発注業務の 50% 省力化など、さまざまな DX プロジェクトで先進的な取り組みを進めています。

引用:生活消費領域の DX 加速に向けグループ横断のデータ活用基盤を構築 AI により発注業務を 50% 省力化|AWS

i-PRO株式会社

パナソニックグループにて主にセキュリティやメディカルに関する画像センシングを担っていた部門が分社独立した i-PRO 株式会社。エッジ記録型クラウドカメラサービス『i-PRO Remo.』の開発にあたり、同社は AWS IoT Core をはじめとするアマゾン ウェブ サービス(AWS)の各種サービスを採用し、利便性とセキュリティを両立したソリューションをリリース。同時にソフトウェアエンジニアリング改革を実行し、サーバーソフトの開発において開発効率 2.5 倍、工程品質 7 倍向上の成果をあげています。

引用:i-PRO、ソフトウェアエンジニアリング変革により IoT カメラ と映像クラウドサービスを 14 か月で開発・ローンチ|AWS

株式会社ブルボン

多くの人々に愛されるお菓子をはじめ、さまざまな食品の開発・製造・販売を行う株式会社ブルボン。お客様の声を品質やサービスの改善につなげる活動をしているのが、同社のお客様相談センターです。同センターは社内で管理・運用していた電話応対用の機器交換を機に、コロナ禍など環境の変化への柔軟な対応に向けてクラウドのシステムを検討し、Amazon Connect を導入。同社内でデジタル推進部との協力により、付加価値の高い業務に専念できる環境を構築しました。

”Amazon Connect 導入により、オペレーターがそれぞれ自分の席で業務を行えるだけでなく、データがすべて 1 か所に統合されたことで、非常に効率的になったと皆実感しています”

引用:お客様相談センターの電話応対システムに Amazon Connect を導入 クラウドサービスの柔軟性を活用してさらなるサービス向上へ|AWS

神東塗料株式会社

総合塗料メーカーとして工業用、建築用、防食用、道路用などの塗料を幅広く提供している神東塗料株式会社。同社は基幹システムの mcframe を稼働実績があるアマゾン ウェブ サービス(AWS)に移行しました。クラウド化により BCP 対策の強化を実現。さらにハードウェアの導入や管理、障害復旧などにかかっていた工数を、IT の活用推進などの業務へシフトするなど、事業成長に向けた攻めの IT 改革が進められています。

引用:オンプレミス環境の基幹システムと VDI を AWS に移行BCP 対策の強化を実現するとともに事業成長に向けた攻めの IT の活用推進業務へシフト|AWS

コニカミノルタ株式会社

材料・光学・微細加工・画像のコア技術を活かして、多彩な事業を展開するコニカミノルタ株式会社。同社は、イメージング技術と、最新の IoT、AI 技術を融合させた画像 IoT プラットフォーム『FORXAI (フォーサイ)』を開発し、2020 年 11 月にリリースしました。インフラ基盤にはアマゾン ウェブ サービス(AWS)と AWS パートナーである株式会社 ACCESS のクラウド統合ソリューション『ACCESS Connect』を採用。FORXAI は現在、次世代 QOL システム、工場の見える化ソリューションなどに採用され、開発効率の向上や運用負荷の軽減に貢献しています。

引用:イメージング技術と IoT、AI 技術を融合させた画像 IoT プラットフォーム『FORXAI』を短期間で AWS 上に構築非接触、リモート対応が可能なソリューションの創出に貢献|AWS

クシマガリレイ株式会社

業務用冷凍冷蔵庫や店舗向け冷凍冷蔵ショーケースなどの製造・販売・メンテナンスを手がけるフクシマガリレイ株式会社。同社は 2019 年から社内システムの統合プロジェクトをスタートし、販売管理システム(G-NET)やメンテナンスの保守点検・修理サービス管理システムをアマゾン ウェブ サービス(AWS)上に移行しました。2021 年にはデジタル変革の実現に向けて、基幹システムを再構築。ERP パッケージの SAP S/4HANA を採用し、2022 年 10 月の本稼働に向けて、AWS 上への導入を進めています。

引用:業務用冷凍冷蔵庫などの故障予測、異常検知を見据えて業務システムと SAP S/4HANA を AWS 上に構築BCP 対策の実現と運用コストを従来の 3 分の 1 まで削減|AWS

株式会社東京ダイヤモンド工具製作所

ダイヤモンド工具の専業メーカーとしてモノづくりの現場を支える株式会社東京ダイヤモンド工具製作所。同社はオンプレミス環境で運用していた各種システムを運用負荷軽減、安定稼働の実現などを目的に、アマゾン ウェブ サービス(AWS)上に移行しました。現在、Amazon EC2 上で 10 近くの情報系システムが稼働しています。1 名の IT 担当者の環境下で、構築運用負荷 50%、調達金額 50%、調達リードタイム 90% 以上を削減し、担当者は IT 戦略にリソースを集中できるようになりました。

引用:1 名の担当者が複数拠点のシステムを管理する中で Web 会議システムやグループウェアなどを AWS に移行構築運用負荷を 50% 削減し、IT 担当者は IT 戦略に注力|AWS

旭化成株式会社

1922 年に創業し、マテリアル、住宅、ヘルスケアの 3 領域でグローバルに事業を展開する旭化成株式会社。同社は製造現場での DX を加速するため、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を基盤とした製造 IoT プラットフォーム(IPF)を構築しました。同時に DX 人財の育成も積極的に推進。現場主導での DX の成果が続々と生まれつつあり、統計解析手法を用いることで異常予測のスパンを 20 日前から 5 ヶ月前に拡大した事例もあるなど、様々な業務を進化させつつあります。全従業員 4 万人のデジタル人財化を目指すなど、全社規模のデジタル変革を加速していく計画です。

引用:生産系 DX 共通基盤の提供と人財育成の両輪で進む製造現場のデジタル変革デジタル人財 4 万人へ|AWS

AKASE株式会社

『マスターウォール』のブランドで、オリジナル家具の製造、卸売、小売を手がける AKASE 株式会社。オンプレミスのファイルサーバーを長年利用してきた同社は、容量の不足解消とハードウェア保守の解消、セキュリティ強化に向けて、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を活用したファイルサーバーに移行しました。AWS への移行により、柔軟な拡張と安定運用を実現。バックアップ環境を新たに構築し、データ消失リスクを解消しました。

引用:AKASE、ファイルサーバーを AWS 上に構築し、運用負荷の軽減、セキュリティ強化、データ消失リスクの解消などを実現|AWS

東海電子株式会社

“飲酒運転をゼロに”をモットーに、業務用アルコール検知器を製造・販売する東海電子株式会社。同社は、点呼作業など運行管理に必要な業務をクラウド上で実現する『運輸安全 PRO』をリリースするにあたり、プラットフォームにアマゾン ウェブサービス(AWS)を採用しました。クラウド化により、導入企業の管理工数削減や端末依存で発生する不具合の解消に貢献。提供元の同社においても、ユーザーサポートにかかる負荷の軽減を実現しました。

引用:東海電子株式会社|AWS

日本シップヤード株式会社

今治造船株式会社とジャパン マリンユナイテッド株式会社による合弁会社として設立され、両社の商船営業・設計を担う日本シップヤード株式会社。同社は、温室効果ガス排出削減や船員の働き方改革などの課題を抱える海運業のニーズに応えるため、船舶が個別に保有していた各種運航情報を集積して分析するシステム『Sea-Navi® 2.0』を AWS 上に構築。航行経路や燃料消費、船上の機器などを陸上からリアルタイムに管理できるようになり、海運業の課題解消に貢献しています。

引用:日本シップヤード、船舶運航支援統合プラットフォームを AWS 上に構築。船陸一体のデータ連携を実現し、安全性と環境性能を向上|AWS

株式会社SUBARU

ユニークなクルマ作りで、『スバリスト』と称する熱心なファンなどを魅了する 株式会社SUBARU。同社は、2021 年 12 月に SUBARU オーナー向けのドライブアプリ『 SUBAROAD(スバロード)』をリリースしました。運転していて楽しくなる道を案内する『SUBAROAD』は、顧客のロイヤリティ向上に貢献しています。プラットフォームには、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用し、アジャイル開発で試行錯誤を繰り返しながら高品質なアプリをリリースしました。

引用:SUBARU : 運転そのものがさらに楽しくなるドライブアプリ『SUBAROAD』を AWS を活用し開発。LTV(顧客生涯価値)と顧客の ロイヤリティ向上に寄与|AWS

AWSの製造業への導入事例 のまとめ一覧表と3つの傾向

ここでは、1章の事例を整理し、そこからわかる3つの傾向について解説します。

AWSの製造業への導入事例 |まとめ一覧表

1章の製造業へのAWS導入事例を「導入内容」と「効果」に着目して、一覧表にまとめます。

  No企業名導入内容効果
1富士フイルムビジネスイノベーション株式会社製品マニュアルのクラウド化(EC2+S3)管理工数削減、運用コスト削減、柔軟な運用
2富士フイルムビジネスイノベーション株式会社OEM商品開発情報のクラウド共有管理業務の効率化、バックアップ自動化
3富士フイルムビジネスイノベーション株式会社製品稼働情報のクラウド分析基盤構築拡張対応、リアルタイム処理、高頻度データ対応
4象印マホービン株式会社仮想サーバーのクラウド移行TCO30%以上削減、品質・機能維持
5ダイドードリンコ株式会社SCM基盤のAWS移行インフラコスト15%削減、バージョンアップ実現
6株式会社イトーキ基幹・人事システムのAWS+SaaS活用調達期間短縮、新技術導入促進
7京セラ株式会社基幹システム刷新+Infrastructure as Code導入自動化、M&A対応力向上、柔軟性強化
8WHILL株式会社IoTモビリティのAWS基盤構築高速開発と安定運用の実現
9株式会社日立製作所OTAサービス基盤をサーバーレスで構築コスト50%削減、1カ月構築、運用負荷軽減
10KYB株式会社IoT/AIによる予知保全システム構築97%コスト削減、クラウドネイティブ対応
11日本食研ホールディングス株式会社販売物流システムのAWS移行バッチ処理80%短縮、TCO20%削減
12東海理研株式会社顔認証入退室管理システムのクラウド構築社内構築実現、付加価値サービス展開
13ビジネスエンジニアリング株式会社SCM製品をPostgreSQL/RDS対応に改良コスト42%削減、顧客選択肢拡大
14伊藤忠テクノソリューションズ株式会社データ活用基盤+AI業務自動化発注業務50%省力化、DX推進
15i-PRO株式会社クラウドカメラサービスのIoT基盤構築開発効率2.5倍、品質7倍向上
16株式会社ブルボンコールセンターにAmazon Connect導入在宅対応、効率化、データ統合
17神東塗料株式会社基幹システムとVDIのAWS移行BCP強化、IT活用推進
18コニカミノルタ株式会社画像IoTプラットフォーム『FORXAI』の構築非接触ソリューション提供、開発効率向上
19フクシマガリレイ株式会社業務システムとSAP S/4HANAのAWS構築運用コスト1/3、異常検知・予測導入
20東京ダイヤモンド工具製作所10以上のシステムをEC2へ統合運用工数50%削減、IT戦略への集中
21旭化成株式会社製造IoTプラットフォーム+DX人材育成予測期間5ヶ月拡大、DX体制整備
22AKASE株式会社ファイルサーバーをAWS化容量不足解消、バックアップ、安定運用
23東海電子株式会社運輸安全PROクラウドサービス構築管理工数削減、端末依存の解消
24日本シップヤード株式会社船舶運航支援統合プラットフォーム『Sea-Navi 2.0』の構築航行情報の可視化、燃料管理、安全・環境性能向上
25株式会社SUBARUドライブアプリ『SUBAROAD』のAWS基盤構築顧客LTV向上、ロイヤリティ強化


また、ここで取り上げた事例を分類すると、以下のようになりました。

AWS case studies in manufacturing6

導入目的・成果から見える3つの傾向

AWS導入の背景と成果を25社の導入事例から分析すると、以下のような3つの主要傾向が見えてきます。

コスト削減を主目的としたインフラ移行が多数

特にオンプレミスの老朽化や保守コストの上昇を背景に、クラウド移行によるコスト最適化を図る企業が多く見られます。

象印マホービン株式会社物理サーバー保守期限を機にAWSへ移行し、TCO30%以上削減
KYB株式会社オンプレミスからAWSに移行し、予知保全システムで初期コスト97%削減を実現
東京ダイヤモンド工具製作所運用工数・調達コストを50%削減し、IT戦略に集中
日本食研ホールディングスバッチ処理の効率化により、TCOを20%削減
フクシマガリレイ株式会社業務システムの移行により、運用コストを従来の1/3に削減

コスト削減はクラウド導入の最大の導入動機であり、予算部門・経営層を巻き込む際の説得材料になりやすい傾向があると思われます。

IoT・AIの実装による業務改革が加速

製造現場の可視化・自動化・予測保全などの目的で、AWS上でのIoT基盤構築やAI連携を進める事例も増加傾向です。

WHILL株式会社モビリティ開発でAWS IoTを活用し、スピーディなMaaS提供を実現
i-PRO株式会社IoTカメラサービスの開発で開発効率2.5倍、品質7倍向上
日立製作所OTAプラットフォームをAWSで構築、1000万台の車両接続を実現
旭化成株式会社IoT+AIによる異常検知スパンを20日→5ヶ月前に延長
東海理研株式会社Amazon Rekognition活用で顔認証入退室管理を自社構築

「ただのインフラ」としてのクラウドではなく、DXの土台としてAWSを使いこなす段階に入っている企業が増えています。

BCP・セキュリティ観点からのクラウド活用も増加

災害対策・テレワーク対応・可用性向上などを目的に、BCP強化やセキュリティ最適化を目的とした導入も注目されています。

神東塗料株式会社基幹システム+VDIをAWSに移行し、BCP対策と業務移行を同時実現
AKASE株式会社ファイルサーバーの移行で、容量不足・バックアップ・セキュリティ課題を一挙に解決
ブルボン株式会社コールセンターにAmazon Connectを導入し、在宅業務体制を構築
コニカミノルタ株式会社画像IoT基盤をAWSに構築し、非接触・リモート対応ソリューションを提供

BCP対応は「必要に迫られたクラウド化」の代表格と言えるでしょう。災害対策やパンデミック以後、ニーズが急増しています。

製造業においてAWSでできること

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クラウドの導入は製造業にとって大きな転換点となっています。製造業クラウド化が進む背景には、柔軟なインフラの確保や、IoT事例に代表されるデータ活用の高度化などがあります。

AWSでは200種類以上の豊富なサービスが提供されていますが、これらのサービスを利用することで、具体的にどのようなことができるのでしょうか。

Webサービスの運用

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AWSで提供されているサービスのひとつであるAmazon EC2(Elastic Compute Cloud)を用いると、インスタンスと呼ばれる仮想サーバーを起動して、Webサービスやアプリケーションの構築や運用を実施できます。

これらの仮想サーバーは、実物の物理サーバーと比較すると以下のような特徴があります。

必要なときに必要な分だけ準備することが可能
サーバーを購入する必要がないため、コスト面におけるメリットもある

データの保存と管理

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データの保存と管理にはストレージ機能を利用します。
多くの企業では大量のデータを管理する必要があるため、物理的な外付けストレージでは容量が不足するという問題点を抱えています。そのため、クラウド上にデータを保存可能なストレージ機能は非常に有用なサービスです。

また、データを保管するだけでなく、バックアップや復元、分析に活用できます。

製造業では、例えば不良品や製造中のトラブル内容のデータを保管しておくと、課題解決がしやすくなります。

データベースの活用

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データベースはデータを管理する役割のストレージとは異なり、データを構造化し、検索や更新などの処理を効率的に行うためのシステムです。

データベースを活用して大量のデータを分析・活用すると、以下のようなことが期待できます。

・顧客データの管理効率化
・処理速度の改善
・顧客満足度の向上


AWSをはじめとするクラウドでは、以下のように新技術へのアクセスが容易かつスピーディーであるという大きなメリットもあります。

機械学習や分析系(Redshift、SageMaker、Athena)と簡単に連携できる
・新しい機能・サービスが自動的に追加されるため、最新環境を維持しやすい


アプリの開発

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AWSでは、以下のようにクラウド上でアプリを開発・構築するためのさまざまなサービスやツールが提供されています。

AWS CodePipeline・継続的インテグレーション / 継続的デリバリー(CI/CD)の自動化ツール
・ビルド、テスト、デプロイのフローをGUIで設定できる
・GitHubやCodeCommitとの連携が可能
AWS CodeBuild・ソースコードをビルドして実行可能なアプリケーションに変換するサービス
・Jenkinsのようなビルドサーバーを持たずに済む
・スケーラブルかつオンデマンドで実行可能
AWS CodeDeploy・EC2、Lambda、オンプレミスサーバーへのアプリケーションの自動デプロイを支援
・ダウンタイムを最小限に抑えるローリングデプロイやブルー/グリーンデプロイに対応

アプリの裏側で動作するシステムであるバックエンドの構築や、アプリを配信環境に配置するデプロイ、運用後の監視までAWSのクラウド上で完結し、自社でサーバーを準備する必要がありません。

製造業では、例えば製造ラインの監視画面や操作パネルへ導入されています。

IoTの構築

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IoTとは、あらゆるものがインターネットに接続され、情報交換や通信を行なう技術のことです。


AWSが提供するAWS IoTサービスを活用すると、以下のようにIoTデバイスの管理や制御、データの収集・分析等ができるようになります。

デバイスの接続・管理・制御
AWS IoT CoreデバイスをAWSクラウドに安全に接続し、双方向通信を可能にする中心サービス
AWS IoT Device Managementデバイスの登録、構成、グループ化、リモート操作、ファームウェア更新などを一元管理
AWS IoT Device Defenderセキュリティ監査と異常検知、ポリシーによるアクセス制御を支援するセキュリティサービス
データ収集・処理・分析AWS IoT AnalyticsIoTデータを収集・フィルタ・変換して、SQLベースで分析可能に
AWS IoT Eventsセンサーや機器の状態変化(例:異常検出)をトリガーにしたアクションを設定できる
AWS Lambda収集したIoTデータに対してリアルタイムで処理(例:異常時のアラート送信)を実行
Amazon KinesisリアルタイムでIoTデータのストリーミング処理を行う
Amazon QuickSightIoTデータを可視化(グラフやダッシュボード)するBIツール
AI・機械学習との連携AWS IoT Greengrassデバイス側でローカルに機械学習推論やLambda実行が可能
Amazon SageMakerIoTで収集したデータから機械学習モデルを学習・構築して予測や最適化に活用

生産設備や機器の多い製造業では、IoTシステムの構築と活用が作業効率や生産性向上へ直結します。

AIサービスの利用

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AI技術や機械学習を活用するためには、統計学やプログラム開発などの高度な専門知識と技術が必要ですが、AWSのAIサービスを利用すればそれらの知識や技術を持たなくとも事業に活用できます

製造業では、例えば生産量の予測や顧客の好みを分析したアプローチなどに活用されています。

製造業におけるAWS の導入をご検討の際は、大手企業を中心に2,555社との取引実績(※1)を持つ株式会社テクノプロにご相談ください。製造業に強い国内25,000人以上(※2)の技術者が、強力にサポートします。

※1:(株)テクノプロ及び(株)テクノプロ・コンストラクション 2024年6月末時点
※2:2024年6月末時点

製造業でAWSを活用する6つのメリット

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小売、金融、通信など幅広い業種で、事業のデジタル化や業務の効率化を目的として、AWSが利用されています。なかでも製造業におけるAWSの成功事例は増加しており、多くの企業がクラウド移行を進めています。
こうした製造業クラウド化の波は、業務効率化や新たなビジネス創出にもつながっています。

ここでは、製造業においてAWSを導入するメリットを解説します。

初期コストやランニングコストの最適化が図れる

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AWSは、ハードウェアやソフトウェアを購入不要なため初期費用無料で利用できます。

また、月々の料金はサービスの利用時間や使用量に応じた従量課金制です。毎月一定の料金を支払う固定課金制とは異なり使用したサービスの分だけ料金を支払うシステムになっているため、固定料金制よりもカスタマイズ性が高く、利用したいサービスに応じてコストの最適化を図れます。

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柔軟にサービスの拡張ができる

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AWSはサーバーの稼働数やストレージ、CPU、メモリなどのリソースと呼ばれるネットワーク機器を柔軟に変更することが可能で、個人利用から法人向けなどの大規模顧客まで、必要な分だけサービスを拡張または縮小できます。

リソースの拡張や縮小はいつでも実施できるため、利用者の多様なニーズに対応できます。

セキュリティ対策が万全

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インターネットを通じて仕事をすることが一般的になった現代において、セキュリティ対策は重要な選定基準となっています。

AWSは、下表のようにセキュリティの高さに定評があります。

オンプレミス型AWS
・自社でセキュリティ対策を講じる必要がある
・専門知識、時間、費用がかかる
クレジットカードや銀行などの基準を満たすセキュリティ認証を多く取得
銀行やクレジットカード業界だけでなく、軍隊や研究機関、航空宇宙業界にも導入されるほどのセキュリティ

幅広いサービスが利用可能

AWSを導入すると、300種類以上の幅広いサービスを利用できます。これらのサービスは25種類以上のカテゴリに分類されており、コンピューティングストレージデータベース分析AI・機械学習など、豊富なサービスとなっています。これらの充実したサービスは、ユーザーの必要な分だけカスタマイズして利用できます。

以下は主要カテゴリーと対応するサービスです。

コンピューティング(Compute)・Amazon EC2:仮想サーバー(インスタンス)提供
・AWS Lambda:サーバーレスでコード実行
・Amazon ECS / EKS:コンテナ管理
・AWS Batch:バッチ処理ジョブ実行
ストレージ(Storage)・Amazon S3:オブジェクトストレージ
・Amazon EBS:ブロックストレージ
・Amazon Glacier:アーカイブ用低コストストレージ
・AWS Storage Gateway:オンプレミス連携
データベース(Database)・Amazon RDS:リレーショナルデータベース(MySQLなど)
・Amazon DynamoDB:NoSQLデータベース
・Amazon Aurora:高性能なRDS互換DB
・Amazon Redshift:データウェアハウス
ネットワーキング & コンテンツ配信・Amazon VPC:仮想プライベートクラウド
・Amazon CloudFront:CDN(コンテンツ配信)
・Elastic Load Balancing:負荷分散
・Route 53:DNSサービス
セキュリティ、アイデンティティ、コンプライアンス・AWS IAM:アクセス管理
・AWS KMS:暗号鍵管理
・AWS Shield / WAF:DDoS対策 / Webアプリファイアウォール
・AWS Secrets Manager:シークレット管理
分析(Analytics)・Amazon Athena:S3上のデータをSQLで分析
・Amazon EMR:Hadoopフレームワーク
・Amazon Kinesis:リアルタイムデータ処理
・AWS Glue:ETLサービス
機械学習(Machine Learning)・Amazon SageMaker:MLモデル構築
・トレーニング・Amazon Rekognition:画像認識
・Amazon Comprehend:自然言語処理
・Amazon Lex:チャットボット開発
開発者ツール(Developer Tools)・AWS CodeBuild / CodeDeploy / CodePipeline:CI/CDツール
・AWS Cloud9:クラウドIDE
・AWS X-Ray:アプリケーションのトレース
運用 & 管理ツール(Management & Governance)・AWS CloudWatch:モニタリング
・AWS CloudFormation:インフラのコード化
・AWS Config:構成管理
・AWS Systems Manager:運用自動化
企業向けアプリケーション・Amazon WorkSpaces:仮想デスクトップ
・Amazon Chime:ビデオ会議
・Amazon WorkDocs:ドキュメント共有
移行とハイブリッドクラウド・AWS Migration Hub
・AWS Snowball / Snowmobile
・AWS Direct Connect

開発の効率が向上する

AWS導入は、システムの構築や開発において効率化に大きく貢献します。

AWSの充実したサービスとリソースの拡張性の高さは、開発したシステムの検証にも適しています。クラウド上での高速処理の実現により、システム開発の周期を短縮し、何度も検証と修正を実施する反復開発が可能です。

システムが安定稼働している

AWSは、以下のようにさまざまなシステム障害への対策を講じてシステムの安定稼働の維持に努めています。

・データセンターの分散
・ロードバランサーと呼ばれる複数のサーバーに外部からの通信を分散させる装置の設置
・プログラムやデータをあらかじめ展開できる状態にする

AWSは、システムが安定稼働している状態である「可用性」が高いことで知られています。

製造業へのAWS導入の課題と解決策

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AWSは製造業において多くの導入メリットがある一方で、課題もあります。
ここでは、AWSを導入する上での障壁となる課題とその解決策を解説します。

運用コストの管理が難しい

AWSは必要な分だけサービスを利用できる従量課金制のため、うまく管理することで無駄のない運用が期待できます。

一方で、例えば以下のようなケースでは運用コストの試算がしにくく、コスト管理が難しくなるため注意が必要です。

・ネットワーク機器などのリソースが変わりやすい場合
・新しいサービスを導入する場合

また、製造業においては、季節ごとに生産量が異なるなど月ごとの費用が大きく変動するケースもあります。

運用コストを最適化するには、コスト管理ツールの導入が効果的です。リアルタイムでコスト分析や増減を確認できるため、削減できるリソースやコスト配分調整が見える化できます。

システムの柔軟性が低い

AWSは手軽に導入できる反面、自社でサーバーを購入・設置して自由に設定を変更できるオンプレミス型とは異なり、システムを自社仕様に自由にカスタマイズできないというデメリットがあります。
AWSが提供するサービスの範囲でシステムの運用が可能であるか、導入前に検討しておくことが重要です。

また、オンプレミス環境とクラウド環境を組み合わせて運用する「ハイブリッド型」も検討すると良いでしょう。

セキュリティの責任分担をよく理解する必要がある

AWSのセキュリティは、AWSと利用者がそれぞれ責任を分担する仕組みです。(責任共有モデル

AWSが管理する部分については利用者が直接操作することはできないため、AWSが提供するインフラやサービスの基盤についてはAWSの責任で保護されます。一方で、利用者側の責任となる部分については、利用者自身が適切に設定・管理し、安全性を確保する必要があります。

AWSの代表的なセキュリティツールには、例えば以下のようなものがあります。

AWS Identity and Access Management(IAM)ユーザーやロールごとにアクセス権限を細かく制御できる、最小権限の原則を守るための基本ツール
AWS CloudTrailAWSアカウント内での操作(APIコールやログインなど)を記録・追跡できる監査ログサービス
Amazon GuardDutyAWSアカウントやワークロードに対する不審な挙動を自動検出するためのツール


サービス提供の停止リスクがある

AWSは、Amazonの方針によっては一部のサービスが停止または終了するリスクがあります。
また、不定期に実施されているメンテナンスでは、期間中のサービスの利用が制限されるため注意が必要です。

これらの課題については、例えば以下のような対策が考えられます。

マルチリージョン構成を採用特定のリージョン(地域)に依存せず、別リージョンにもシステムを複製しておく
マルチAZ(アベイラビリティゾーン)構成にする1つのリージョン内でも、複数の物理データセンター(AZ)に分散配置する
重要データのバックアップを取得しておくS3やEBS、RDSなどの定期バックアップを設定し、異なるリージョンにもコピーを保存しておく


また、予期せぬ障害やサービス停止に備えて、復旧手順(DR計画)の整備代替サービスへの早期移行計画を立てておくことも重要です。

インターネット環境へ依存している

AWSはインターネット経由で利用するためネットワーク環境に大きく依存しています。そのため回線トラブルや通信障害が発生するとAWS上のシステムやデータにアクセスできなくなる可能性があります。

これに対して、以下のような対策が考えられます。

回線の二重化異なるプロバイダの回線を併用
バックアップ回線を用意モバイル回線や衛星回線など、緊急用の予備の通信手段を確保
ローカル環境の整備オフラインでも作業を継続できるよう準備
AWS Direct Connectの利用を検討きわめて重要なシステムは、AWSと自社拠点を専用線で接続しておく
CDN(CloudFront)やローカルキャッシュを活用サービスの可用性が高くなり、ユーザーへのコンテンツ提供が途切れにくくなる

まとめ

本記事では、製造業における導入成功事例の紹介や、製造業でAWSを導入するメリット・デメリットとその対策についての解説をしました。製造業でAWSを導入することで、さまざまなメリットが得られるだけでなく、生産性や作業効率の改善、顧客満足度の向上などの面での課題解決にもつながります。「AWS 製造業 事例」や「IoT事例」、「AWS成功事例」には、製造業クラウド化を成功に導く多くのヒントが詰まっています。自社に合ったAWS活用方法を検討する際の参考にしてください。

製造業にてAWSの導入をご検討の際は、ITインフラによる工場ラインの運用効率化や、IoTプラットフォームを利用した生産設備の最適化にも多くの実績がある株式会社テクノプロへご相談ください。それぞれの目的に合ったAWSの導入や活用方法をご提案いたします。

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