AWSを導入することで、柔軟なリソース運用やITコスト削減が可能になります。
本記事では、AWSの導入事例を25例紹介します。さらに、AWSの基本的な特徴や導入のメリットについて解説し、業務効率化やコスト削減に役立つ具体的な活用例を紹介します。また、導入後の運用管理や継続的な最適化のポイントについても詳しくまとめました。
最後まで読むことで、AWSを活用して理想的なシステム環境を構築するための具体的な道筋が見えてくるでしょう。
ITシステム構築に強みを持つ株式会社テクノプロは、世界規模の製造メーカーや大手IT企業など多くの企業のシステム構築を支援してきました。AWS導入の準備段階からビジネス設計、本稼働、運用の各段階に応じて、最適な人材で効率的に支援を行い、費用対効果の高いサービスを実現します。ぜひ、ご相談ください。

AWSとは

ここでは、クラウドサービスの基本やAWSの特徴について説明します。
AWSとは
AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスで、業務効率化や事業の成長支援を目的とした幅広いサービスを提供しています。
クラウドコンピューティングサービスは、インターネット経由でサーバーやストレージ、データベースなどのITリソースを利用できるサービスです。従来のように物理サーバーを購入・管理する必要がなく、必要なときに必要な分だけ利用できるため、コスト削減や運用の効率化が可能です。
Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスであるAWSは、その特徴として「スケーラビリティ・信頼性・柔軟性」の3つがあげられます。
それぞれを以下で解説します。
スケーラビリティ
スケーラビリティ(Scalability)とは、「拡張性」を意味します。
AWSは需要に応じてリソースを迅速に拡張・縮小することが可能です。
リソースを調整することで、システムへのアクセスが急増した場合でも安定した運用を続けられます。
信頼性
AWSの特徴の二点目は信頼性です。
AWSは世界各地に分散配置されたデータセンターを活用しており、サービスが常に利用可能な状態を保つ仕組みを備えています。
データを複数の場所に保存することで、災害や障害時にも迅速な復旧が可能です。
柔軟性
AWSは200以上のサービスを提供しており、さまざまな業種やビジネスモデルに対応する柔軟なシステム構築が可能です。
AWSを導入するメリット

AWSは世界シェア33%以上を占めており、業界リーダーとして非常に信頼されているクラウドサービスです。
AWSの導入には以下のようなメリットがあります。
●高度なセキュリティ ●事業の成長支援サービスが豊富 ●コスト削減効果が高い | ●業務効率化
以下で詳しく解説します。
業務効率化
AWSでは、企業の日常業務を効率化するための多様なツールやサービスが提供されます。
たとえば以下のように、Amazon S3やAmazon EC2を利用することで、データ管理やアプリケーション運用といった基本的な業務から、より高度な自動化やプロセス最適化まで幅広く対応できます。
Amazon S3(Simple Storage Service)
Amazon S3(Simple Storage Service)は、企業のデータ保存を効率化するためのクラウドストレージサービスです。
ストレージ容量は拡張性が高く、企業は必要な分だけのストレージを利用できます。データのバックアップやアーカイブを簡単に行うことが可能で、コストをおさえつつ安全なデータ管理が実現します。
大規模な画像ファイルやログデータの管理等に活用されることが多いです。
Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)
Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)は、仮想サーバーを即座に立ち上げて業務アプリを運用できるサービスです。
トラフィックの増減に応じて柔軟にリソースをスケールアップ・スケールダウン可能で、ピーク時のアクセスにも迅速に対応できます。
EC2は、Eコマースサイトのサーバー構築等に多く利用されています。
ほかにも、計算処理、ストレージ、AIツールなど、幅広いカテゴリで豊富な機能を提供し、業務効率化を支えてくれます。
高度なセキュリティ
AWSは、厳格なセキュリティ対策と多数の業界規制への準拠により、安全性の高いサービスが実現されています。
セキュリティ対策の例としては、AWSではIAM(Identity and Access Management)を使用して、ユーザーごとにアクセス権限を設定することができます。IAMにより、必要最低限の権限のみを付与し、不正アクセスを防止します。
また、データ保護のために暗号化機能の利用も推奨されています。
たとえばAmazon S3では保存データを自動的に暗号化することで、データの機密性を確保できます。
事業の成長支援サービスが豊富
AWSは、企業がデータ駆動型の意思決定を迅速に行い、競争力を高めるための基盤を提供します。
データ分析やグローバル展開といった重要な領域でAWSのツールを活用することで、新たな事業機会を発見し、効率的な運用を実現できます。
データ分析(Athena、QuickSight)
Athenaは、SQLクエリを使用してAmazon S3に保存されたデータを簡単に分析するサービスです。
Amazon QuickSightを併用することで、視覚的なデータ分析が可能となり、ビジネスインサイトを得やすくなります。
たとえば顧客行動分析や売上データのトレンドを視覚化することが可能で、経営判断を支援します。
グローバル展開の基盤構築(CloudFront)
AWSは世界中のデータセンターを活用でき、多地域での事業展開がスムーズに行えます。
また、Amazon CloudFrontは、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)サービスで、世界中のユーザーに高速かつ安全にデータを配信する基盤を提供します。
たとえば動画ストリーミングサービスや国際的なECサイトにおいてCloudFrontが多く利用され、遅延のないユーザー体験を実現することで企業の成長に貢献しています。
コスト削減効果が高い
AWSは、柔軟なリソース運用やツール等によりコスト削減を効果的に行います。
従量課金制とコスト削減ツール
AWSは従量課金制を採用しており、使用した分だけ料金が発生する仕組みです。これにより、初期投資をおさえつつ柔軟なコスト管理が可能です。
たとえば季節ごとのキャンペーンでトラフィックが増加する企業が、一時的にリソースを増強する場合に役立ちます。
また、AWS Cost ExplorerやBilling Dashboardなどのツールもコスト削減に有効です。コストの内訳を可視化し、無駄なリソースを削減できます。Savings Plansやリザーブドインスタンスなら、長期的に使用するリソースのコストを抑えられます。
オンプレミスからの移行で得られるコスト効率
オンプレミス環境からAWSに移行することで、ハードウェアの購入や維持費用を削減できます。
AWS導入事例25選!
ここでは、AWSの導入事例を25例紹介します。
製品マニュアル管理システムの構築およびクラウド化

複合機・プリンターなどのオフィス機器の製造・販売事業を手掛ける富士フイルムビジネスイノベーション株式会社では、製品マニュアルなどを従来の紙ベースから公式HPサイトで提供することを検討していました。製品マニュアルなどを公式HPサイトで提供することで、スマートフォンやタブレットといった多様な端末から閲覧することが可能となる一方、オンプレミスのファイルサーバを使用することで資産管理などを含めた管理業務にかかる工数の課題もあり、クラウドベースのシステム構築を行うことになりました。
AWSを選んだ決め手は、クラウド内で仮想サーバの作成が出来る「Amazon EC2」とクラウドストレージの「Amazon S3」サービスの存在が大きな要因です。
AWSを導入したことに付随する主な効果としては2点ありました。1つ目に、オンプレミスの「サーバとしての機能」を「Amazon EC2」へ移行したことにより、ハードウェアの管理という縛りが消え、管理工数が大幅に削減されました。2つ目に、「ファイルサーバとしての機能」を「Amazon S3」へ移行したことにより、セキュリティを確保した上で、柔軟な運用が可能となり、運用コストが削減されました。
AWSにある様々な機能を活用して保守・運用などの業務の自動化やワークフローを実行するためのコンテンツ管理システムの構築などによるさらなるコスト削減に向けた検討を進めていく予定です。
引用:導入事例|富士フイルムビジネスイノベーション株式会社様|テクノプロ・エンジニアリング社
商品開発情報共有システムのクラウド化

複合機・プリンターなどのオフィス機器の製造・販売事業を手掛ける富士フイルムビジネスイノベーション株式会社では、OEM先との商品開発に関わる情報を共有するWebシステムを社内にオンプレミスで構築していました。しかし、オンプレミスのファイルサーバを使用することで資産管理などを含めた管理業務にかかるコストの課題もあり、運用保守を含めコストを抑えることができるクラウドサービスを使用してWebシステムの再構築を行うことにしました。
AWSを選んだ決め手は下記の4点になります。
・オンプレミスの環境をAWSの様々なサービスを利用して、迅速かつ容易に再構築できる
・ストレージのサイズを情報量の増加にあわせて、動的かつ容易に変更することができる
・AWSの機能を活用することで、これまでのストレージやサーバ死活監視だけではなく、幅広い監視を行うことが可能となる
・ストレージのサイズ拡張やデータのバックアップなどを自動化することで運用保守に関わるコストを削減できる
AWSにある様々な機能を活用して保守・運用などの業務の自動化によるさらなるコスト削減に向けた検討を進めていく予定です。
引用:導入事例|富士フイルムビジネスイノベーション株式会社様|テクノプロ・エンジニアリング社
製品稼働情報分析システムの構築およびクラウド化

複合機・プリンターなどのオフィス機器の製造・販売事業を手掛ける富士フイルムビジネスイノベーション株式会社では、全世界中から毎日送信されてくる製品の稼働情報を処理するサーバをオンプレミスで運用していましたが、1台の製品で5年10年と稼働するうえ、毎年新製品がリリースされるため、毎日の稼働情報を処理する台数が将来に渡って増加することから、ハードウェアの拡張設計やサーバーダウン時の復旧に要する工数、トータルコストの課題を、将来を見据えて解決する必要があり、クラウド化することを検討していました。
AWSを選んだ決め手は、下記の3点になります。
・毎年2TB増加するディスク容量への迅速な対応ができる
・既存のDBを分離することにより、リアルタイム処理とデータ検索機能の性能向上が図れる
・アクセス頻度の低いアーカイブデータをS3に退避させることで稼働コストの低減ができる
AWSにある様々な機能を活用した分析作業の自動化や、さらなるコスト削減に向けたシステム構成の検討を進めていく予定です。
引用:導入事例|富士フイルムビジネスイノベーション株式会社様|テクノプロ・エンジニアリング社
動画閲覧システム機能開発

ピーシーアシスト株式会社のWinスクールでは、オンラインセミナーサービスとして「知りたいとこだけ、2時間半!」ハンズオンセミナーを実施し、セミナー終了後に限定公開の復習用セミナー動画URLを参加者にメールで配信しています。
このオンラインセミナーサービスのセミナー申込から復習動画URLの配信を一部手作業で実施しており、既存のシステムと連携して自動化するためのシステムを構築したいと考えていました。
AWSが提供するクラウドサービスを利用することでサーバレスな構築が可能になり、運用保守を含めたコスト削減や作業工数の軽減が見受けられたためAWSを導入することにしました。
AWSを選んだ決め手は下記の2点になります。
・AWSの様々なサービスを利用して、迅速かつ容易にシステムを構築できる
・サーバレスな構築により、サーバ管理などの運用保守に関わるコストを削減できる
引用:導入事例|ピーシーアシスト株式会社様|テクノプロ・エンジニアリング社
AWSへのクラウド環境移行

装置からデータ収集可能な IoT サービス開発支援

AWS導入時の人材不足を解消
エプソンアヴァシス様は、組込システム開発、サービス開発・運用、業務システム開発・運用を主軸に事業展開しているセイコーエプソングループ企業である。長野県に本社・事業所を擁している。エプソンアヴァシス内では、各種開発案件において、コスト面などの様々な観点で、オンプレミス環境からクラウド環境への切り替えの必要性が高まっていた。今回のプロジェクトの舞台となるビジュアルプロダクツ事業においてもAWSクラウドの活用へと舵を切ることとなった。
このクラウド活用の動きに伴い、社内の業務量も大きく増え、協力会社からの人材補填による組織強化を図る必要が出てきた。
しかし…AWSの知見を持つIT人材が思うように集まらない。
エプソンアヴァシス・事業推進本部/VP事業推進部の部長、廣前氏は、テクノプロ・デザイン社・松本サテライトのベテランエンジニア、高山に相談を持ち掛けた。
高山は打開策として「研修修了生の配属」提案を行った。
研修を受講したばかりの人材に、クライアント社内の課題解決ができるのか。そんな疑問はなかったのか。
高山は続けてこう話した。
「研修生に対しての育成面や配属先でのフォロー体制について、営業担当や私のようなベテランのエンジニアが密に連携することで万全なものにできるような取り組みを行っていきました。
「テクノプロ・デザイン社から来ている研修修了生の皆さんは、AWSを活用できる人材として活躍してもらっており、『ビジュアルイノベーション』を手掛けていく上で、重要な人材に成長していると捉えています」研修修了生がプロジェクトに参画する上でのレベル感について高山は語る。
引用:【開発事例・インタビュー】イノベーションを起こすためのAWS人材育成を協働 [エプソンアヴァシス様]
クラウド(AWS)を活用したWebアプリケーション開発の実績が少なくナレッジが不足していた事例
装置からデータを収集できるIoTサービス開発の伴走支援
【課題】
-装置メーカー様が自社製品の新サービスとして装置からデータをクラウドに収集できるサービスを開発中(モノ→コトへ)
-自社での開発を進めているが、 クラウド(AWS)を活用したWebアプリケーション開発の実績が少なくナレッジが不足している
-またクラウドサービス開発に関するプロジェクトの進め方や、技術的課題を迅速に解決するための相談先がない
【解決策】
-技術支援 – クラウド(AWS)使用したシステム開発において必要とされる技術情報や知識のご提供
-プロジェクト推進補佐 – プロジェクトの状況に合わせ不足する役割を補完
【期間】
5ヶ月/1人月
【納品物】
QA表、調査資料、API設計書、技術要素の説明資料および、その会議のレコーディングデータのご提供
引用:実績例①クラウド設計・構築サービス(AWS、Azure)|テクノプロ・デザイン社
AWS IoT coreにて機能統合を実施
【目的】
電力管理システムリニューアル
【課題】
-管理コストの増加、ブラックボックス化したシステム
-現行システムには利用していない機能が多数搭載されており、余分な管理コストが発生している
-開発、保守はベンダーに依存しているため自社で改造することができない
【解決策】
-AWS IoT coreにて機能統合を実施
-Lambda,Code Commitを利用しシンプルで一元的なソース管理を実現
【期間】
3.5ヶ月/4人月
【納品物】
シンプルかつ一元管理可能なクラウド新システム、自社でのメンテ、運用を可能にする各種手順書
(4)
【目的】
クラウドを利用した認証管理システムのAPI作成
【課題】
-新規採用開発フレームワークによる開発およびテスト手順が確立できていない
-API基本仕様書が未完成
【解決策】
-開発環境とテスト環境構築およびそれぞれの手順書作成
-API基本仕様書と提供資料に基づいた動作の再定義とAPIの作成およびテスト
【期間】
1ヶ月/3.65人月
【納品物】
各手順書の作成、テスト結果ログ
引用:実績例②クラウド設計・構築サービス(AWS、Azure)|テクノプロ・デザイン社
40億件のデータ分析を10万円で実現
AWSの先進ユーザーとしても著名な日本最大級の回転すしチェーン、あきんどスシロー。あきんどスシローが、AWSを利用し始めたのは2012年7月頃のこと。社内に蓄積された40億件のデータを分析するためだった。
しかし、40億件もの膨大なデータを分析するには、高速処理が可能なインメモリ型のBIツールを動かせる高価なサーバーが必要となる。本当に“宝の山”かどうかも分からないなか、多額の投資はできない。
そこで辿り着いた答えが、必要なときに必要な分だけ利用できるAWSだった。40億件のデータを分析することで、価値ある知見は得られるのか――。その検証にかかった費用はわずか10万円だったそうだ。
検証実験の結果、確かな手応えを得たあきんどスシローは、ICタグから得たデータのAWS上での分析を本格的にスタートさせる。さらに同社は、WebサイトやERPなどのシステムも続々とAWSへ移行。
引用:スシローのAWS活用を支えるネットワークとは?――Direct Connect+KDDI WVSでさらなる進化|BUSINESS NETWORK
大規模言語モデル(LLM)を活用した独自の AI モデルを 3 か月で開発
「“はたらく”に歓びを」を使命と目指す姿とし、デジタルサービスの会社への変革を進める株式会社リコー。1990 年代から AI 開発に取り組んできた同社は、生成 AI で利用されている大規模言語モデル(LLM)にいち早く注目し、GPT-3 相当のリコー独自の AI モデルを開発しました。アマゾン ウェブ サービス(AWS)の GPU インスタンスを活用して 3 か月でモデル開発を実施。同社の AI モデルは、実用化に向けた取り組みが始まっています。
現在はリコー製 GPT を用いたサービス開発を進め、検索系のサービスとして「ベクトル検索」と「カスタム GPT」の提供を検討中です。前者は、単語同士の近さを数値に変換し、ドキュメント全体の意味を考慮して検索する手法です。複合機の開発者が故障の原因を知りたい時に自然言語で検索すると、技術 DB を参照して類似度の高い回答をエビデンス付きで提示します。ただし、ベクトル検索の手法はクセが強く、想定した回答が得られないこともあります。それに対してカスタム GPT は、リコー製 GPT に企業独自のドキュメント類や技術データ類を丸ごと事前学習させることで、より精度の高い回答を導き出すことが可能です。
引用:リコー、Amazon SageMaker を利用し、大規模言語モデル(LLM)を活用した独自の AI モデルを 3 か月で開発|AWS
データ統合・共有による意思決定の迅速化と業務効率の向上
凸版印刷からグループ組織の再編によって持株会社へと生まれ変わった TOPPAN ホールディングス株式会社。システム基盤のモダナイゼーションを重要テーマに掲げる同社は、DX 推進基盤として SAP S/4HANA を導入。SAP がアマゾン ウェブ サービス(AWS)上でマネージドサービスとして提供する SAP HANA Enterprise Cloud を採用しました。グループ会社の経営情報をクラウド上で一元管理することで、データドリブン経営の実現を目指しています。
デジタルイノベーション本部 IT 基盤センター 技術部 課長の江口嘉伸氏は「今回、新たに会計系の分析ダッシュボードを用意して、経理部門などに提供を開始しました。これまで、経理担当者は CSV 形式でデータを抽出して、Excel 等で分析したり、レポートを作成したりしてきましたが、BI ツールで可視化が可能になり、活用レベルが向上しました。今後も分析コンテンツを充実させたり、セルフ BI でユーザー自身が分析できるようにしたりしながら、分析の習慣化・定着化を進めていきます」と語ります。
引用:TOPPAN、グループ全体の DX 推進基盤として SAP HEC with AWS を採用。グループ間のデータ統合・共有による意思決定の迅速化と業務効率の向上を実現|AWS
データ分析基盤をエンジニア 1 人でわずか 4 か月で構築
パソコンを中心とした IT 機材のレンタルサービスを展開する株式会社 SSマーケット。コロナ禍でパソコンレンタルの需要が急増する中、業務システムが分散しているために出荷台数を一元的に確認がしづらいという課題を抱えていました。そこでアマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用し、出荷量、売上状況等を可視化する基盤を構築しました。データ分析基盤は 1 名のエンジニアが自力で学習しながら、わずか 4 か月で構築して運用を開始しています。
データ分析基盤の構築により同社が得られた一番の効果は、倉庫部門や営業部門などの現場がデータを見ながら業務ができるようになったことです。倉庫部門では、物流センター内に大型ディスプレイを設置して、日々の出荷量とキッティング作業などの工程状況を、現場で働く社員全員が見られるようにしています。営業部門には日々の売上達成状況が見られるダッシュボードを提供。管理者レベルの担当者が確認するほか、朝礼などで全社にシェアして従業員全体のモチベーションアップに活用しています。その他、レンタル機器の返却時に発生する欠品対応などの付帯作業のタスクの消化状況も担当者に配信しています。
引用:SS マーケット、パソコンレンタル事業のデータ分析基盤をエンジニア 1 人でわずか 4 か月で構築|AWS
BCP対策の強化を実現するとともに事業成長に向けた攻めの IT の活用推進業務へシフト
総合塗料メーカーとして工業用、建築用、防食用、道路用などの塗料を幅広く提供している神東塗料株式会社。同社は基幹システムの mcframe を稼働実績があるアマゾン ウェブ サービス(AWS)に移行しました。クラウド化により BCP 対策の強化を実現。さらにハードウェアの導入や管理、障害復旧などにかかっていた工数を、IT の活用推進などの業務へシフトするなど、事業成長に向けた攻めの IT 改革が進められています。
現在、AWS 上で管理しているサーバー数は、mcframe は Amazon EC2 が 6 台と Amazon RDS が 2 台、周辺システムは Amazon EC2 が 10 台と Amazon RDS が 2 台となっています。環境はマルチ AZ とし、片方の AZ にはバックアップとリストア環境を構築して冗長性を確保。監視ツールとして Amazon CloudWatch を活用しています。
VDI は、外出が多い営業部門や技術部門を中心に、全社員の半数にあたる約 170 名が利用しています。セッション数に応じて自動的に AWS 上のサーバーを起動させる運用とし、夜間は緊急用の 1 台を残してすべて停止するなどして、コストの最適化を図っています。
2018 年から 2 年のプロジェクトにより、基幹システムから情報系システムまでのすべての基盤をクラウド化し、データセンターの契約も終了しました。機器購入からサービス利用に変更になり、納期などを気にすることなくスピーディーなシステム導入が可能になりました。検証環境の構築も容易になり、保守環境の充実が進んでいます。また、コスト高になることなく冗長性が確保でき、資金計画も平準化されています。
引用:オンプレミス環境の基幹システムと VDI を AWS に移行 BCP対策の強化を実現するとともに事業成長に向けた攻めの IT の活用推進業務へシフト|AWS
ファイルサーバーを AWS 上に構築し、運用負荷の軽減、セキュリティ強化、データ消失リスクの解消
『マスターウォール』のブランドで、オリジナル家具の製造、卸売、小売を手がける AKASE 株式会社。オンプレミスのファイルサーバーを長年利用してきた同社は、容量の不足解消とハードウェア保守の解消、セキュリティ強化に向けて、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を活用したファイルサーバーに移行しました。AWS への移行により、柔軟な拡張と安定運用を実現。バックアップ環境を新たに構築し、データ消失リスクを解消しました。
AWS 上にファイルサーバーを構築してから約 2 年が経過した現在、大きな障害もなく安定稼働を続けています。ユーザーはこれまでどおり共有フォルダーや個人フォルダーにアクセスしてファイルが利用できるため、操作性の違いを意識することはありません。アクセス権限も担当者や役職に応じて細かく設定することが可能になり、セキュリティリスクも解消されました。ネットワーク遅延の影響によるパフォーマンスの低下もなく、快適な利用が続いているといいます。サーバーの拡張性も確保され、容量が不足した際には即座に追加できるようになりました。
引用:AKASE、ファイルサーバーを AWS 上に構築し、運用負荷の軽減、セキュリティ強化、データ消失リスクの解消などを実現|AWS
基幹システム基盤に SAP on AWS を採用
産業用ロボット向け精密減速機や建設機械向け油圧機器をはじめ、鉄道、航空、船舶、商用車などの輸送用機器向けの主要部品を提供するナブテスコ株式会社。その他にも、自動ドアや包装機などその事業活動は幅広いものです。さまざまな領域に挑戦する同社はさらなるデジタル活用に向け、プライベートクラウドで運用してきた基幹システム SAP R/3 からアマゾン ウェブ サービス(AWS)上の SAP S/4HANA へと移行。社内カンパニーの移行を順次進めながらデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速しています。
引用:ナブテスコ、基幹システム基盤に SAP on AWS を採用 制限のあるプライベート環境から脱却し「攻めの DX」を実現|AWS
ハイレートな走行データ処理を AWS によって実現
『Kawasaki』ブランドのモーターサイクル、ジェットスキー® などを世界で展開するカワサキモータース。同社は“コネクティッドビークル”機能を車両に搭載し、ユーザーにモーターサイクル用スマートフォン連携アプリを提供しています。コネクティッド機能から得られた走行データや車両状態の情報を収集、分析するプラットフォームをアマゾン ウェブ サービス(AWS)上に構築。製品の改善につなげると同時に、ユーザーエクスペリエンスの向上による新たな ”Let the good times roll*” に挑んでいます。
*「カワサキに関わる人すべての、よろこびと幸せのために」、カワサキモータースのカンパニーミッションです。
*「JET SKI」「ジェットスキー」は川崎重工業株式会社の登録商標です。
カワサキモータースは複数のクラウドの中から、同社の事業イメージに最も近い展開が可能と判断して AWS を選定しました。
企画本部コネクティッド推進部でコネクティッドビークルのデータ基盤の開発を担当する志村拡俊氏は、「AWS の開発者コミュニティが非常に大きく、新しいサービスが出るとコミュニティ内ですぐに議論が出てくるので、最新技術をキャッチアップできます。これは私たちにとって大きなメリットです」と語ります。衣畑氏も、「カワサキは世界中に拠点を置いていますので、グローバルなリソースの規模なども含めて AWS が適切と考えました」と付け加えます。
引用:ハイレートな走行データ処理を AWS によって実現 コネクティッドサービスでモーターサイクルに 新たな “Let the good times roll” を|AWS
Enterprise Supportでシステムの継続的な改善とコスト最適化
アマゾンウェブサービス (AWS) 上に構築された昭和電工マテリアルズのプラットフォーム上では、24 時間 365 日、製品の品質を統制している品質統制システムが稼働しており、事業活動にとって不可欠なシステムです。
このシステムの構築に際して、可用性、耐障害性、事業継続性 (BCP)、およびコスト最適化の観点から、ゼロから AWS で構築することを決定しました。
AWSアカウントチームによる丁寧な提言の積み重ねによりAWSを選定し、デジタルトランスフォーメーション(DX)の第一歩となっています。
AWS プラットフォーム上で稼働するシステムに対し、AWS サポートを最大限活用し、コストをさらに最適化し、システムの可用性を高めるために、「AWS エンタープライズサポート」を利用することを決断しました。
引用:Enterprise Supportでシステムの継続的な改善とコスト最適化を実現
Amazon QuickSight よるレポート管理システムにより、不良品の発生原因を詳細に分析
自動車やトラックの内装や外装の樹脂部品、装備品の開発・製造・販売を手がける株式会社イクヨ。毎月の不良品実績を Excel で管理していた同社は、業務の効率化に向けてアマゾン ウェブ サービス(AWS)の Amazon QuickSight を活用したレポート管理システムを構築。これにより毎月 3 時間要していたレポート作成工数がなくなり、品質管理部門の負担が軽減されました。詳細なレポートは品質改善活動に活かされ、不良品の発生削減にも貢献しています。
Amazon QuickSight の導入により、3 つの工場でそれぞれ毎月約 30 分~ 1 時間かけて入力し、約 1 時間かけて取りまとめていた作業工数がなくなり、品質保証部の負荷は削減されました。月に 1 回だった集計も、現在は Amazon QuickSight 上にほぼリアルタイムに実績が反映されていくため、毎日チェックして不具合の発生状況を把握することができます。
引用:イクヨ、Amazon QuickSight よるレポート管理システムにより、不良品の発生原因を詳細に分析し、品質改善活動を推進|AWS
船舶運航支援統合プラットフォームを AWS 上に構築
今治造船株式会社とジャパン マリンユナイテッド株式会社による合弁会社として設立され、両社の商船営業・設計を担う日本シップヤード株式会社。同社は、温室効果ガス排出削減や船員の働き方改革などの課題を抱える海運業のニーズに応えるため、船舶が個別に保有していた各種運航情報を集積して分析するシステム『Sea-Navi® 2.0』を AWS 上に構築。航行経路や燃料消費、船上の機器などを陸上からリアルタイムに管理できるようになり、海運業の課題解消に貢献しています。
国際海事機関は、2023 年 1 月から既存船に対して燃費規制と燃費実績の格付けを行うようになりました。燃費が悪く CO2 の排出が多い船は低評価となるため、船主は改善のための方策を実施しなければなりません。このような背景もあり、燃料の消費などを可視化して運航を最適化できる Sea-Navi® 2.0 は多くの船主から好評を博しています。
引用:日本シップヤード、船舶運航支援統合プラットフォームを AWS 上に構築。船陸一体のデータ連携を実現し、安全性と環境性能を向上
研究開発用の HPC 基盤を AWS 上に構築
コア技術「センシング&コントロール +Think」を軸に、制御機器、ヘルスケア、社会システム、電子部品の 4 事業を展開するオムロン株式会社。同社の研究開発部門は、機械学習や CAE 解析などで利用するハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)環境をアマゾン ウェブ サービス(AWS)上に構築し、研究環境の短期構築や解析時間の短縮などを実現しました。現在、AWS のリソースを柔軟に活用しながら、革新的な技術開発を進めています。
先行して AWS 環境の利用を開始した機械学習・画像認識の研究部門では、AWS をオンプレミス環境と適材適所で使い分けて利用。計算リソースの活用と並行して、Amazon SageMaker による機械学習モデルの構築も行っています。技術・知財本部イノベーション・技術業務統括室 業務推進部の田畑尚弘氏は「マネージドサービスの Amazon SageMaker を活用することで、データ収集からモデル構築までの時間を短縮でき、効率的に研究ができるようになります」と語ります。
引用:オムロン、研究開発用の HPC 基盤を AWS 上に構築、最適なコンピューティングリソースを活用し、革新的技術開発をリード
半導体メモリの開発・製造における HPC の課題を AWS を活用することで解決
世界有数の半導体メーカーであるキオクシア株式会社は、製品開発・製造過程で HPC を活用しています。同社は HPC の活用においてピーク対応などで、リソースの柔軟性に課題を感じており、それを解決する目的で アマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用。AWS Direct Connect を用いてオンプレミス環境と AWS をセキュアに接続し、ニーズや負荷に応じてジョブを振り分けることで、課題を解決。また、クラウドへのリバランスで約 7% のコスト削減を実現しています。
キオクシアでは、大規模な HPC 環境のうち AWS に処理を委譲できる一部の基盤を、AWS Direct Connect を介して AWS へ接続しています。プロジェクト全体の計画がまとまったら、オンプレミスのジョブスケジューラにジョブを投入し、規模や必要性に合わせてオンプレミス HPC と AWS へ割り振ります。AWS 上のリソースは起動しておらず、ジョブが稼働するとき自動的に立ち上がる設定になっており、コストを最小限に抑えています。
引用:キオクシア、半導体メモリの開発・製造における HPC の課題を AWS を活用することで解決。コストも最適化|AWS
エアコンの遠隔操作アプリ『エオリア アプリ』を AWS で開発
パナソニック製エアコン『Eolia(エオリア)』をスマートフォンから遠隔操作する『エオリア アプリ』。同アプリは 2017 年のサービス開始当初からアマゾン ウェブ サービス(AWS)上で運用しています。2021 年には データベースを Amazon DynamoDB と Amazon Aurora へ、2022 年にはフロントエンドサーバーを Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) から AWS Fargate へと移行し、それぞれ大幅なパフォーマンス改善とコスト削減を実現しました。現在、組織のDevOps 化とアジャイル開発の実践により、短サイクルの機能アップデートに取り組んでいます。
サービス開始時は、Amazon EC2 と Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) で Web3 層構造を構築していました。2021 年 3 月にエアコンの接続数が 30 万台を超えると、今後 I/O 性能に限界を迎える可能性があると判断。そこで開発・運用チームは DB の移行とサーバー構成の見直しに着手し、NoSQL の Amazon DynamoDB と、MySQL 互換の Amazon Aurora に移行しました。
DB 移行後、エアコンの接続数が 40 万台に近づくにつれて、新たに見えてきた課題がフロント部分の Amazon EC2 の運用コストです。負荷増にあわせて Amazon EC2 を新たに追加するには構築作業の手間が大きくなっていました。そこで、より拡張性の高いコンテナ環境に移行し、実行基盤にフルマネージドサービスの AWS Fargate を採用しました。
引用:パナソニック : エアコンの遠隔操作アプリ『エオリア アプリ』を AWS で開発。アーキテクチャのモダナイズにより100 万台の接続に耐える基盤へ|AWS
IoT 家電とスマートフォンの接続を実現する大規模プラットフォームを AWS のマネージドサービスで構築
日立の家電製品などの製造・販売を手がける日立グローバルライフソリューションズ株式会社(以下、日立 GLS)。家電の IoT 化を進める同社は、2018 年より『コネクテッド家電®』を IaaS 形態のクラウド環境で提供してきましたが、接続台数の増加に対する拡張性に課題がありました。そこで、アマゾン ウェブ サービス(AWS)のマネージドサービスを活用し、600 万台の接続に耐える IoT プラットフォームを構築し、ユーザーに影響を与えることなくシステムを移行しました。
インフラコストも従量課金制に変わり、接続数の増加に応じてリニアに変化するようになったことで、結果として従来比で 50 % 削減。さらに現在は、バッチ処理の実行間隔に応じてコンテナを分割し、必要な時にリソースを起動する運用でコスト最適化を実現しています。AWS への移行プロジェクトは同社の組織文化にも大きな影響を与えました。
引用:日立 GLS、600 万台の IoT 家電とスマートフォンの接続を実現する大規模プラットフォームを AWS のマネージドサービスで構築|AWS
顔認証クラウドサービス『KPASクラウド』を AWS に統合
パナソニックグループで B2B ソリューションサービス事業を展開するパナソニック コネクト株式会社。同社は SaaS 事業の 1 つである顔認証クラウドサービス『KPASクラウド』を、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を含む複数のクラウドサービスを活用し提供してきました。2023 年 3 月には他社クラウドで運用していた顔照合 API (顔認証エンジン)を AWS に移行して統合。一度に照合可能な人数を、従来の最大 15 万人から最大 100 万人に拡大しました。
AWS に基盤を統合した新バージョンの KPASクラウドは、顔照合 API とインフラのパフォーマンス改善により、一度に照合可能な人数が従来の最大 15 万人から最大 100 万人まで拡大。さらに、本人認証エラーを従来比で約 60 % 低減し、マスクや顔の傾き、照度などの外乱に対する堅牢性も向上しました。
引用:パナソニック コネクト、顔認証クラウドサービス『KPASクラウド』を AWS に統合。柔軟性と堅牢性の向上を実現し、インフラコストを 2 分の 1 に削減|AWS
AWS導入の手順

ここでは、AWS導入の基本的な流れを5つのステップに分けて解説します。
ステップ1:導入目的の明確化
AWSを効果的に活用するには、導入目的を明確にすることが必要です。
業務効率化、コスト削減、新規事業の展開など、企業の目的に合った利用方法を設定しましょう。
たとえばデータ保存を効率化するためにAmazon S3を使用する場合や、仮想サーバーの柔軟な運用を目指してAmazon EC2を利用する場合があります。
目的を明確にすることで、不要なサービスを利用せず、運用コストの最適化が可能です。
さらに、目的が明確であれば、チーム間での共通認識が生まれ、効率的な導入が可能になります。
ステップ2: AWSアカウントの作成
まずはアカウントを作成します。
公式サイトでアカウントを作成し、無料枠を活用することで、コストをおさえながらAWSの基本機能を試すことが可能です。
無料枠では、Amazon S3やAmazon EC2など主要なサービスを一定の制限内で利用できます。
ただし、無料枠の利用には期限や使用量の制限があるため、利用条件をよく確認しましょう。登録時にはクレジットカード情報が必要ですが、無料枠の範囲内であれば課金は発生しません。
ステップ3: 環境構築の基礎
アカウント作成後は、AWS上での環境構築を行います。
主要なサービスとして、以下が挙げられます。
EC2でサーバー設定 | ●Amazon EC2を利用して、仮想サーバーを作成 ●OSやリソースの設定をカスタマイズでき、ニーズに合わせた構築が可能 |
S3でストレージ活用 | ●データ保存用にAmazon S3を利用 ●スケーラブルなストレージを提供し、バックアップやアーカイブにも適している |
ステップ4: セキュリティ設定
AWSの利用において、セキュリティ対策は非常に重要です。
以下のポイントを押さえて設定を行いましょう。
IAMのユーザーとグループの設定 | ●IAMを使用して、各ユーザーに必要最低限のアクセス権限を付与 ●アクセス権限を管理することで、不正アクセスを防止し、システム全体の安全性を高める |
マルチファクター認証(MFA)の導入 | ●アカウントへのログイン時にMFAを設定することで、セキュリティをさらに強化 ●MFAは、二要素認証とも呼ばれ、スマートフォンなどを使用してログインを確認する |
ステップ5: 運用と監視
AWSの運用フェーズでは、たとえば以下のように、リソースのパフォーマンスや稼働状況を継続的に監視することが求められます。
CloudWatchによるモニタリング | ●AWS CloudWatchを活用して、システムの稼働状況をリアルタイムで監視 ●異常の際にはアラートを発するよう設定 |
アラート設定の基本 | ●トラフィックの急増やリソース使用量の過多などに対してアラートを設定 ●アラートの設定により、問題に迅速に対処可能 |
AWS導入支援サービスと活用方法

AWSを効果的に導入するためには、導入支援サービスを活用することが有効です。
導入支援サービスを利用することで、AWSの専門知識がなくても、迅速かつ確実にクラウド環境を構築し、運用を開始できます。
また、サービス提供者が持つ豊富な経験とノウハウを活かすことが可能です。
導入支援サービスとは?
AWS導入支援サービスは、企業がAWSを適切に導入・活用できるよう、専門知識を持つコンサルタントやパートナー企業が提供するサービスです。
サービスの支援内容には、クラウド環境の設計、システム移行、セキュリティ対策など、AWSの利用を最適化するための幅広いサポートが含まれます。
導入サポートの流れは、主に次の4つの段階で構成されています。
1.要件定義 | 企業が直面している課題やAWSを導入する目的を明確にし、プロジェクトの方向性を設定 |
2.設計と計画 | 要件に基づき最適なAWS環境の構築プランを作成 |
3.実装 | AWSの設定や既存システムの移行を実施し、計画されたAWS環境を具体的に構築 |
4.運用設計 | AWS環境を継続的に管理し、モニタリングを行う体制を整える |
上記のような流れでサポートを受けることで、AWSの導入がスムーズに進むだけでなく、運用開始後のトラブルやリスクを最小限におさえることが可能になります。
導入支援サービスを選ぶ際のポイント
導入支援サービスを提供している企業はさまざまなプランを用意しています。
以下の2点を中心に、自社の環境に合った支援サービスを選択しましょう。
実績と信頼性の確認
選択するサービス提供者が、AWS導入において豊富な実績を持つかを確認することが重要です。
AWS認定パートナーや、成功事例を持つ企業は信頼性が高いといえます。
自社に合った規模や業界特化型の選定基準
導入支援サービスを選ぶ際には、自社の事業規模や業界に合ったサービスを提供している企業を選びましょう。
業界ジャンルが合っていることで、ニーズに最適化されたソリューションを期待できます。
費用対効果の考え方
AWS導入支援サービスを利用することで、企業は短期間で効率的なクラウド環境を構築することができます。設定ミスやトラブルを未然に防ぎ、結果として運用効率の向上とリソースの最適化など、自社単独で導入するよりもメリットが大きくなるでしょう。
また、AWS Cost ExplorerやBilling Dashboardでコストを可視化し、Savings Plansやリザーブドインスタンスを活用するなど、長期的なコスト削減を図る手法も提供されます。
株式会社テクノプロ のAWS導入・運用支援を活用すれば、最適な運用設計から監視・障害対応・コスト最適化まで、一括して任せることができます。AWSの導入・運用を成功させるために、ぜひプロフェッショナルのサポートを検討してみてください。
導入後の運用と活用方法

AWSを導入した後の運用と活用方法は、システムの安定稼働と継続的な最適化に直結する重要なポイントです。
以下のように、適切な運用管理やリソースの拡張、新サービスの追加を行うことで、AWSのポテンシャルを最大限に引き出し、事業の成長を効果的に支えることができます。
運用管理の基本となるツールを活用

AWSでは、運用効率を高めるためのツールとしてCloudWatchを利用できます。
CloudWatchは、システムのパフォーマンスをリアルタイムで監視し、異常が検出された場合にアラートを通知する仕組みです。
アラート通知により、迅速なトラブル対応が可能になります。
また、AWS運用効率化のための最適な方法を提案してくれるツールにTrusted Advisorがあります。
セキュリティの向上やコスト削減のアドバイスが自動的に提供され、クラウド運用の最適化をサポートします。
スケールアップと新サービスの追加

AWSは、事業成長に応じたリソースの拡張や新サービスの追加を容易に行える設計となっています。
たとえばアクセスが急増するキャンペーン時には、リソースをスケールアップすることで、システムの安定稼働を確保できます。
さらに、新しい機能やツールを簡単に導入できるAWS Marketplaceを活用することで、既存のインフラに不足している機能を補うことが可能です。
継続的なコスト最適化

AWSを効率的に利用し続けるためには、定期的なコスト最適化が欠かせません。
たとえばSavings Plansやリザーブドインスタンスを利用することで、長期間使用するリソースのコストを大幅に削減できます。
また、AWS Cost Explorerを活用することで、利用状況を分析し、コストの内訳を把握することが可能です。
AWS Cost Explorerを活用することで得られた分析結果を基に、無駄なリソースを削減し、クラウドの利用効率を最大化することができます。
まとめ
本記事では、AWSの特徴や活用例、導入後の運用方法について詳しく解説しました。
AWSは、導入することで業務効率化やコスト削減、柔軟なシステム構築を期待できるクラウドサービスです。初期投資をおさえながら、事業規模や需要に応じたリソースの活用が可能になります。
ITシステム構築に強みを持つ株式会社テクノプロは、世界規模の製造メーカーや大手IT企業など多くの企業のシステム構築を支援してきました。AWS導入の準備段階からビジネス設計、本稼働、運用の各段階に応じて、最適な人材で効率的に支援を行い、費用対効果の高いサービスを実現します。ぜひ、ご相談ください。
