情シスの課題は外部人材でどう解決する?AI駆動開発とAWS導入支援の実践事例

AWS導入

情シス部門では、日々の運用を回しながら、セキュリティ対応や生成AI活用、さらに将来を見据えた内製化まで求められる場面が増えています。こうした状況では、「人が足りない」「属人化している」「何から着手すべきかわからない」といった悩みが起こりがちです。

本記事では、テクノプロ・エンジニアリング社が登壇したセミナー内容をもとに、情シス部門の人材不足、属人化、生成AI活用、AWS導入支援の課題をどう解決するか。外部人材の伴走により、新卒社員と進めたAI駆動開発の実例や、AWS移行・運用改善の事例をもとに、内製化を前に進めるポイントを解説します。

Index

情シス部門で起きやすい“詰まり”とは

少人数で広い守備範囲を担う情シス部門では、例外対応が積み重なりやすく、証跡整理や要件整理、ルール運用が後追いになりがちです。特に近年は、セキュリティ脅威への対応と生成AI活用が同時進行し、現場負荷が一段と高まっています。前回の登壇でも(情シス運用はなぜ止まるのか?―現場で詰まるポイントと改善判断のコツ)、まず重要なのは完璧な仕組みを一気に作ることではなく、どこが詰まりやすいのか、どこが属人化しているのかを可視化することだと整理されていました。

登壇後のヒアリングでも、「人材が足りない」「担当者に業務が集中している」「内製化したいが進め方がわからない」といった声が多く寄せられたといいます。つまり、課題は単なる工数不足ではなく、運用の再現性と育成の仕組みが弱いことにあります。対策として、外部人材は“手を動かす人”としてだけでなく、現場に仕組みを定着させる伴走者として機能します。

AI駆動開発は“若手にツールを渡せば進む”わけではない

セミナーで紹介した事例では、全従業員向けWebアプリケーションのリリースを目指し、複数部署の新卒社員がAI駆動開発に挑戦しました。狙いは、若手中心で開発をやり切ることに加え、生成AI活用の実務経験を他業務にも展開できる状態をつくることでした。

しかし、実際に始めてみると、開発未経験の若手にとってはLinux操作や環境構築そのものが高い壁でした。生成AIを使えば何とかなる、という期待だけでは前に進まず、むしろ安全性や品質の観点から危うさが見えてきます。ここで重要だったのが、AI任せにしないこと。つまり、AIを活用するための“形”を先に設計することでした。

 実務に定着させるために整えた4つの“形”

このプロジェクトでは、若手が安全にAIを使いながら成長できるよう、技術リーダーが4つの仕組みを整えました。1つ目は、危険な操作を避けながら同じ手順で環境構築できるようにする「環境構築のAI先生」。2つ目は、API仕様や設計書関連のドキュメントを整備し、AI生成物をレビューできる状態にする「品質のガードレール」。3つ目は、AIが思いどおりに動かない場面をあえて見せ、観察・修正・再指示の流れを実演する「生成AI制御の実演」。4つ目は、モデル進化に追従しつつもツールは固定化し、若手の混乱を防ぐ「生成AI進化への追従」です。 

ここがこの事例の肝です。AI駆動開発の価値は、単にコードを速く出すことではありません。誰が何に責任を持つのかを明確にし、再現性のある進め方をチームに埋め込むことにあります。言い換えると、AIを入れる前に、AIが暴れない現場設計が必要ということです。

成果として残ったのは、開発経験だけではなかった

プロジェクトはリリースまで到達し、当初のゴールは達成されました。ただし、登壇者が強調したのは、それ以上の価値です。若手メンバーには、AIに対して目的・前提・事象・期待効果を整理して伝える習慣が根づき、資料作成や調査、別業務での活用にも波及したといいます。

つまり、AI駆動開発の経験は「開発スキル」だけで終わらず、AIに伝える力、整理する力、使いどころを判断する力を育てました。セミナーでも、生成AIは若手の成長を一気に飛ばすツールではない一方で、要件定義から実装・リリースまでの流れを経験することで、AI活用力を大きく伸ばせると総括されています。

外部人材活用のポイントは“代替”ではなく“伴走”

この事例が示しているのは、外部人材の価値が単なるリソース補完ではないという点です。育成型・チャレンジ型のプロジェクトでは、オンボーディング、品質管理、AI制御、リリース判断まで含めて設計できる技術者が必要になります。

テクノプロでは、こうした伴走型支援を、技術者派遣、請負・準委任、コンサルティングといった複数の形で提供しています。 

本サイト(https://www.technopro-cloudservice.com/)でも、支援の柱として「技術者派遣」「請負・準委任」「技術者教育」の3つを打ち出しています。単に人を出すだけではなく、教育機能や受託体制と組み合わせて、内製化支援や技術定着まで視野に入れられる点が特徴です。人手不足への対処と、将来の自走体制づくりを分けずに考えられるのは、現場としてかなり実務的です。回る仕組みを伴走し作り上げる。そこがテクノプロの強みとして紹介しています。

クラウド導入支援でも、価値は“止めない移行”にある

セミナー後半では、AWS導入支援の事例も紹介されました。1つ目は、計器メーカーの研究開発部門におけるレガシーシステム刷新です。既存オンプレミス環境からAWSへ移行するにあたり、テクノプロが構想から運用定着まで伴走し、アジャイルスクラムを活用しながらサービスを止めずに短期リリースを実現しました。

2つ目は、製品マニュアル管理、開発情報共有、稼働分析という3つの領域をAWS化した事例です。EC2やS3を活用して工数・コスト削減につなげるだけでなく、その先の保守運用の自動化まで見据えた設計が行われた点がポイントでした。つまり、クラウド化は“載せ替えて終わり”ではなく、運用負荷を軽減し、継続改善しやすい状態まで持っていって初めて価値になります。 

これからの情シスには“全部自前”でも“丸投げ”でもない選択肢が必要

テクノプロはAWSパートナーとして、Advanced Tierおよび人材サービス型AWSパートナーの認定を受け、25,000人以上の技術者基盤や育成機能を背景に、導入から運用、教育までを支援しています。特設サイトでも、社内リソースやノウハウ不足に対して、柔軟な増員や支援形態を組み合わせながら課題解決に応える方針が示されています。 

情シスの現場で求められるのは、すべてを自社だけで抱え込むことでも、外部に丸投げすることでもありません。自社で持つべき判断軸や運用知見は残しながら、スピードや専門性が必要な部分には外部の力を取り入れる。その“ちょうどいい分担”を設計できるかどうかが、これからの内製化やAI活用の成否を分けます。 

よくある質問

Q. 情シス部門の課題はなぜ外部人材だけでは解決しないのですか。

A. 単純な増員だけでは、属人化した運用やルール未整備、育成不足といった構造課題は残るためです。外部人材に求められるのは、手を動かすことだけでなく、運用整理や内製化支援まで含めた伴走です。 

Q. AI駆動開発を現場に定着させるうえで重要なことは何ですか。

A. AIツールを導入することではなく、品質のガードレール、責任範囲の明確化、オンボーディング、レビュー観点の整備など、AIを安全に活用するための進め方を設計することです。

Q. AWS導入支援ではどこまで相談できますか。

A. AWS移行戦略、設計・構築、運用保守、生成AI活用、データ利活用まで、テクノプロでは複数の支援形態を組み合わせて相談できます。

Q. 外部人材を活用しながら内製化を進めることはできますか。

A. 可能です。テクノプロは技術者派遣、請負・準委任、技術者教育を組み合わせる体制を持ち、将来的な自走化を視野に入れた支援を行っています。

まとめ

今回のセミナーでは、情シスが抱える課題に対し、外部人材の活用が単なる穴埋めではなく、組織にノウハウを残しながら変化を前に進める手段になり得ることが示されました。AI駆動開発でもAWS導入でも、成功の鍵はツールそのものではなく、現場に合った進め方を設計し、伴走しながら定着まで支援できるかどうかにあります。変化が速い時代だからこそ、必要なのは“すぐ動ける体制”と“続けられる仕組み”の両立です。

AWS導入・移行、生成AI活用、人材育成を含めた伴走支援をご検討中の方は、本サイトのテクノプロAWSサービス資料をご覧ください。また、本セミナーでご紹介しきれなかった情シス向け業務支援サービスや前回好評だった生成AI/セキュリティ対策運用チェックリストもご案内可能ですので、お気軽にお問合せください。

登壇者紹介

園部優太
株式会社テクノプロ 
テクノプロ・エンジニアリング社
事業企画部 部長

兼 技術管理課長、ビジネス推進課長
主な業務は全社技術組織統制、アカウント戦略推進、アライアンスリード(AWS社)。請負推進、キャリア支援等を担当する


中林泰樹
株式会社テクノプロ 
テクノプロ・エンジニアリング社

第三統括部 シニアマネージャ
現在は若手メンバーと生成AI駆動開発プロジェクトを推進する。
これまで、1万人~ 規模の企業でインフラ、開発、運用などの領域に関与してきた。全体システム設計を軸に、実装などの開発など手を動かすのが好き。特に生成AIとセキュリティの掛け合わせに注目中