AWS運用入門|主要サービスや料金、最適化へのベストプラクティス

AWS運用

AWS(Amazon Web Services)は、柔軟性とスケーラビリティに優れたクラウドプラットフォームですが、適切な運用が不可欠です。本記事では、AWSの基本的な運用方法から、コスト最適化、監視ツールの活用、自動化の手法、セキュリティ対策まで詳しく解説します。
初心者から経験者まで役立つ内容です。AWSの運用を効率化し、安定したシステムを維持するためのベストプラクティスを学びましょう。

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Index

AWSの基礎知識

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ここでは、AWSの基礎について解説します。

AWSは何か|特徴や市場シェア

AWSAmazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称です。
企業や個人がインターネット経由でサーバーストレージデータベース機械学習IoTなどのITリソースを必要な分だけ利用できる仕組みを提供します。

従来のオンプレミス環境では、企業が自社でサーバーを購入し、データセンターを運営する必要がありました。
しかし、AWSを利用すれば、物理的な設備投資をせずに、必要なリソースを即座に確保できるため、コスト削減や運用の効率化が可能です。

以下で、AWSの特徴やシェアについて解説します。

AWSの特徴

AWSの最大の特徴は、そのスケーラビリティ(拡張性)と柔軟性にあります。
利用者は、必要なときに必要なだけリソースを確保し、不要になれば削減できます。

さらに、世界中に展開されたデータセンターによって、可用性の高いシステムを構築できる点も大きなメリットです。

また、AWSは使った分だけ料金を支払う「従量課金制」です。そのため、初期投資を抑えつつ、小規模な利用から段階的にスケールアップしていくことができます。

AWSは、200以上のサービスを提供しており、WebアプリケーションのホスティングAIやビッグデータの分析IoTデバイスの管理など、多様な用途に対応可能です。
特に、近年では機械学習サーバーレスアーキテクチャの分野での活用が急速に拡大しています。

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AWSの市場シェアと成長

AWSはクラウドインフラ市場のリーダー的地位を維持しています。
しかし、2023年第4四半期にはクラウドインフラ市場の31%、2024年第2四半期時点で32%、2025年第1四半期には31%となっており、AWSの市場シェアは横ばい~緩やかな減少も見られます。

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一方で、クラウドインフラ市場全体は急速に成長しており、2024年第2四半期には前年同期比22%増の790億ドルに達しました。この市場の拡大により、AWSの実際の収益は増加し続けています。

引用元:グローバルのクラウドインフラ市場シェア。AWSが堅く30%台を維持、オラクルがついにIBMを上回る。2024年第2四半期、Synergy Researchの調査結果

クラウド市場全体の成長率は2023年第3四半期に18%まで低下しましたが、その後3四半期連続で20%を超える成長率を記録し、市場の拡大が続いています。

AWSは依然として最大のシェアを保持していますが、MicrosoftとGoogleが着実にシェアを拡大しており、競争が激化しています。
3社合わせて市場の約4分の3を占めており、今後もクラウドインフラ市場の主要プレイヤーとしての地位を維持すると予想されます。

AWSの主要サービス一覧

AWSは、200以上のクラウドサービスを提供しており、あらゆる業種・用途に対応可能です。
ここでは、特に利用頻度の高い主要なサービスをカテゴリごとに紹介します。

コンピューティング

サービス名概要
Amazon EC2仮想サーバー(インスタンス)を提供するサービス。用途に応じて柔軟にスケール可能
AWS Lambdaサーバーレスでコードを実行できる環境。インフラ管理不要でイベント駆動型の処理が可能
Amazon ECS / EKSコンテナ管理サービス。ECSはAWS独自、EKSはKubernetesを利用したコンテナオーケストレーションを提供

ストレージ

サービス名概要
Amazon S3高耐久性・可用性を持つオブジェクトストレージ。静的ウェブサイトのホスティングにも利用可能
Amazon EBSEC2インスタンス用のブロックストレージ。高性能なSSDやHDDを選択可能
Amazon Glacier長期的なデータアーカイブに最適な低コストストレージ

データベース

サービス名概要
Amazon RDSマネージド型のリレーショナルデータベース。MySQL、PostgreSQL、SQL Serverなどをサポート
Amazon DynamoDB高速なNoSQLデータベース。スケーラブルでフルマネージド
Amazon Redshiftデータウェアハウス(DWH)向けの分析用データベース。大量データの処理に適している

ネットワーク

サービス名概要
Amazon VPCAWS上にプライベートなネットワーク環境を構築できる仮想ネットワーク
Amazon Route 53スケーラブルなDNS(ドメイン名システム)サービス
AWS Direct ConnectAWSとオンプレミス環境を専用線で接続し、高速・低遅延の通信を実現

セキュリティ&管理

サービス名概要
AWS IAMアクセス管理サービス。ユーザー・グループの権限を制御
AWS ShieldDDoS攻撃対策のためのセキュリティサービス
AWS CloudTrailAWS上の操作履歴を記録し、監査やセキュリティ監視に活用可能

分析&AI

サービス名概要
Amazon Kinesisストリーミングデータをリアルタイム処理するためのサービス
AWS GlueETL(抽出・変換・ロード)処理を自動化するデータ統合サービス
Amazon SageMaker機械学習の開発・トレーニング・デプロイを簡単に行えるプラットフォーム

他のクラウドサービスとの違い

AWSは、Microsoft AzureやGoogle Cloud Platform(GCP)などの他のクラウドサービスと競合しています。

それぞれのクラウドプラットフォームには特徴がありますが、AWSは市場シェアの大きさサービスの豊富さエコシステムの充実度で優位に立っています。

比較項目AWSMicrosoftAzureGoogle Cloud Platform(GCP)
市場シェア約31%(トップシェア)約25%約11%
提供開始2006年2010年2008年
サービスの種類200以上のサービスを提供Microsoft製品との統合が強みAI・データ分析に強み
料金体系従量課金制+リザーブドインスタンス従量課金制+エンタープライズ契約従量課金制+無料枠が充実
導入企業Netflix、Airbnb、NASAなどBMW、Adobe、Hewlett PackardなどTwitter、Spotify、Paypalなど
強みグローバルなインフラと安定性Microsoft製品との親和性AI・機械学習の最適化

AWSのメリット・デメリット

ここでは、AWSのメリットとデメリットを詳しく解説します。

AWSのメリット

スケーラビリティ必要なリソースを自由に増減でき、突発的なトラフィックの増加にも対応可能
コスト最適化従量課金制のため、使った分だけ支払いが発生し、初期投資を抑えられる
グローバル展開が容易世界中のリージョンにサーバーを展開でき、海外市場向けのサービス構築がスムーズ
高可用性と耐障害性複数のデータセンター(アベイラビリティゾーン)を活用することで、障害に強いシステムを構築できる
豊富なサービス群200以上のサービスを提供し、AI、IoT、データ分析など、幅広い用途に対応可能
セキュリティとコンプライアンスIAMや暗号化機能、各種認証規格(ISO、GDPR、HIPAAなど)に対応しており、安全性が高い

AWSのデメリット

料金体系の複雑さ従量課金モデルは柔軟性がある反面、使い方を誤るとコストが想定以上に膨らむ可能性がある
学習コストの高さ多くのサービスがあり、初心者には学習負担が大きく、特にアーキテクチャ設計やセキュリティ設定の習得が必要
サポート料金が高額AWSのサポートプランは無料の範囲が限られており、手厚いサポートを受けるには追加料金が発生する
ロックインリスクAWSの独自サービスを多く利用すると、他のクラウドサービスへの移行が困難になる
ネットワークコストデータ転送量に応じた料金が発生し、大量のデータを扱う場合はコスト管理が重要になる

AWS運用の始め方

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AWSを導入する際、最初に行うべきことはアカウントの作成と初期設定です。AWSは多機能なプラットフォームであるため、適切な設定を行うことでセキュリティやコスト管理のリスクを最小限に抑えることができます。

AWSアカウントの作成方法

AWSの利用を開始するには、まず公式サイトからアカウントを作成します。

【アカウント作成手順】

1.AWS公式サイトにアクセスし、「アカウントを作成」をクリック
2.メールアドレス、パスワード、AWSアカウント名を入力
3.個人または法人アカウントを選択し、住所や電話番号を入力
4.支払い情報(クレジットカード)を登録
5.電話番号による本人確認(SMSまたは自動音声)
6.プランの選択(基本的に「無料利用枠」を選択)
7.登録完了後、AWSマネジメントコンソールへログイン

AWSは基本的に従量課金制ですが、無料利用枠(Free Tier) があり、新規登録ユーザーは一定期間無料でサービスを試すことができます

初期設定で確認すべき項目

AWSアカウントを作成した後、最初に行うべき設定項目を以下に示します。

MFA(多要素認証)の有効化アカウントのセキュリティ強化のために必須
IAMユーザーの作成ルートアカウントの利用は避け、必要な権限を持つIAMユーザーを作成する
請求アラートの設定予期せぬ料金発生を防ぐため、AWS Budgetsでアラートを設定
リージョンの選択物理的に近いリージョンを選ぶことで遅延を最小限に抑える
CloudTrailの有効化ユーザー操作のログを取得し、監査を可能にする

特にIAM(Identity and Access Management) の設定は重要です。
デフォルトではルートアカウント(最上位の管理者権限)が付与されますが、セキュリティ上の理由から普段の運用ではルートアカウントを使わず、適切な権限を持つIAMユーザーを作成して使用することが推奨されます。

サービス選定のポイント|何から始めるべきか

AWSには200以上のサービスがありますが、初めてAWSを導入する場合、以下のサービスから始めるのが一般的です。

分類サービス用途
コンピューティングEC2仮想サーバー(アプリやサイトの運用)
ストレージS3データの保存・バックアップ
データベースRDSリレーショナルデータベースの管理
ネットワークVPC仮想ネットワークの構築
監視CloudWatchシステムの監視とログ管理

例えば、Webサイトを運用する場合は、以下の組み合わせが基本となります。

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初めての運用でおすすめのリソース|公式Documentやサポート

AWSをスムーズに運用するためには、以下のように公式ドキュメントや学習リソースを活用することが重要です。

AWS公式ドキュメント各サービスの詳細な使い方を確認できる(公式サイト
AWS Well-Architected FrameworkAWSのベストプラクティスを学べるガイドライン
AWS サポート技術的な問題を解決するためのサポート(有料プランあり)
AWSトレーニング & 認定AWSが提供する公式の学習コンテンツ
Udemy・書籍実践的なAWSスキルを学ぶのに有効

また、AWSにはコミュニティが活発に存在しており、「AWS User Group(JAWS-UG)」のような日本のユーザーグループに参加すると、実際の活用事例を学ぶことができます。

AWSの料金体系とコスト管理

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AWSは「従量課金制」を採用しており利用した分だけ料金が発生しますが、適切なコスト管理を行わないと想定以上の料金が発生することもあり、注意が必要です。

本章では、AWSの料金体系の基本、無料利用枠の活用方法、コスト最適化のためのツール、コスト削減のポイントについて解説します。

AWSの料金体系の基本|従量課金モデル

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AWSの料金は基本的に「従量課金制(Pay-as-you-go)」です。これは、使用した分だけ料金が発生し、未使用時には料金がかからない仕組みです。
従量課金制は柔軟性が高く、企業の成長やニーズに応じてリソースを増減できるメリットがあります。

また、AWSにはコストを最適化するためのオプションとして、「リザーブドインスタンス」や「スポットインスタンス」が用意されています。

リザーブドインスタンス・1年または3年単位の契約で料金を大幅に割引できるプラン
・長期間の利用が確定している場合に適している
スポットインスタンス・AWSの余剰リソースを安価に利用できる仕組み
・バッチ処理やテスト環境など、一時的な利用に最適

EC2インスタンス(仮想サーバー)の料金は、インスタンスタイプ(CPUやメモリのスペック)、リージョン(データセンターの場所)、ストレージ容量などによって変動します。
そのため、コスト管理の観点からは、用途に応じた最適なリソース選定が重要です。

無料利用枠の活用方法

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AWSには、新規アカウント向けに「無料利用枠(AWS Free Tier)」が用意されています。これを活用することで、コストをかけずにAWSの基本サービスを試すことができます。

無料利用枠には、大きく分けて期間限定の無料枠永続的な無料枠の2種類があります。

期間限定の無料枠・AWSアカウントを作成した日から12か月間利用可能
・EC2(t2.microインスタンス)やS3(5GBのストレージ)、RDS(db.t2.microインスタンス)などの主要サービスが含まれる
永続的な無料枠・AWS Lambdaの100万リクエスト/月やCloudWatchの基本監視機能
・期間の制限なく無料で利用できる

ただし、無料利用枠には上限があり、超過すると通常の課金が発生するため、利用状況の管理が重要です。AWSマネジメントコンソールの請求ダッシュボードを活用して、無料枠の利用状況を定期的に確認することをおすすめします。

コスト最適化のためのツール|AWS Cost Explorerなど

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AWSには、以下のようにコスト管理を効率的に行うための公式ツールがいくつか用意されています。

AWS Cost Explorer

AWSの利用状況を可視化し、過去のコストデータを分析するためのツールです。
月ごとのコスト推移を確認し、コスト削減の機会を見つけることができます。

AWS Budgets

予算を設定し、コストが一定の閾値を超えた場合にアラートを受け取ることができます。
例えば、「今月のEC2利用料金が1万円を超えたら通知する」といった設定が可能です。

AWS Trusted Advisor

AWSのベストプラクティスに基づいてコスト最適化の推奨事項を提示するツールです。
不要なリソースやアイドル状態のインスタンスを特定し、無駄な支出を防ぐのに役立ちます。

AWS Pricing Calculator

AWSの各サービスを利用した際の料金を事前に試算できます。新しいサービスを導入する際に、予算を組むのに有効です。

コストが高騰する原因と対策

ここでは、AWSの料金が予想以上に高くなる原因とその対策を紹介します。

不要なリソースが放置されている

例えば、使っていないEC2インスタンスやRDSデータベースが稼働し続けていると、それだけで料金が発生してしまいます。
これを防ぐために、定期的にリソースの使用状況を確認し、不要なものは停止または削除することが重要です。

データ転送料金の増加

特に、AWSの異なるリージョン間でデータをやり取りする場合や、インターネットに大量のデータを送信する場合には、高額な料金が発生することがあります。
これを防ぐためには、リージョン内でのデータ転送を優先し、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)であるAmazon CloudFrontを活用するのが有効です。

過剰なスペックのインスタンスを利用している

例えば、EC2インスタンスで本番環境と同じ高性能なインスタンスタイプを開発環境でも使い続けると、無駄なコストが発生します。
実際の負荷に応じて適切なスペックのインスタンスに変更することで、コストを最適化できます。

ストレージの肥大化

AWS S3やEBS(Elastic Block Store)に保存されたデータが増え続けると、ストレージコストがかさみます。
これを抑えるには、S3のライフサイクル管理を活用し、古いデータを自動でGlacier(低コストのアーカイブストレージ)に移行する設定を行うとよいでしょう。

オートスケールの誤設定

Auto Scalingを適切に設定しないと、不必要に多くのインスタンスが立ち上がり、コストがかさむことがあります。
トラフィックのピーク時間やビジネスニーズに応じて、適切なスケーリングルールを設定することが重要です。

AWS運用に必要な知識やスキル

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本章では、AWS運用に必要な基礎スキル、AWS認定資格の概要、学習リソース、初心者が直面する課題とその対処方法について解説します。

AWS運用に必要な基礎スキル

AWSの運用には、以下のようなスキルが求められます。

クラウドの基本知識オンプレミスとの違い、IaaS・PaaS・SaaSの概念、仮想化技術の理解が必要
ネットワークの基礎VPC(Virtual Private Cloud)の設定、サブネットの分割、セキュリティグループの管理など、クラウドネットワークの知識が求められる
Linux / Windowsサーバー管理EC2(仮想サーバー)を利用するため、OSの基本操作、ユーザー管理、ファイアウォール設定を理解する必要がある
ストレージ管理S3やEBS(Elastic Block Store)などのストレージサービスの使い方やデータの冗長性確保の方法を学ぶ必要がある
セキュリティの基礎IAM(Identity and Access Management)を用いたアクセス管理、データ暗号化、コンプライアンス対応の基礎知識が求められる
スクリプティングと自動化AWS CLI(コマンドラインインターフェース)やTerraform、CloudFormationを活用したインフラ自動化のスキルがあると、より効率的な運用が可能
監視とトラブルシューティングCloudWatch、AWS Config、AWS Systems Managerなどを活用し、システムのパフォーマンス監視や問題発生時の対処ができることが望ましい
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AWS認定資格の概要

AWSでは、以下のようにスキルレベルや役割に応じた認定資格が提供されています。
AWS認定資格を取得することで、運用スキルを体系的に学び、業務での活用やキャリアアップに役立てることができます。

AWS Certified Cloud Practitioner
(クラウドプラクティショナー)
AWSの基本知識を証明する入門レベルの資格
AWS Certified Solutions Architect – Associate
(ソリューションアーキテクト アソシエイト)
AWSの設計やベストプラクティスを学び、システムの構築に関する知識を証明できる
AWS Certified SysOps Administrator – Associate
(SysOpsアドミニストレーター アソシエイト)
AWS環境の運用や監視に関するスキルを評価する資格で、AWS運用担当者向け
AWS Certified DevOps Engineer – Professional
(DevOpsエンジニア プロフェッショナル)
自動化やCI/CDパイプラインの構築に関する高度な知識を問う資格

運用担当者であれば「AWS Certified SysOps Administrator – Associate」を取得することが特に推奨されます。
設計にも関与する場合は「AWS Certified Solutions Architect – Associate」の取得も視野に入れるとよいでしょう。

学習リソースの紹介

AWSの学習には、公式リソースをはじめとするさまざまな教材を活用するのが効果的です。

AWS公式ドキュメント
(公式サイト)
AWSの各サービスについて詳細に解説されているため、最新情報の確認に最適
AWS Skill Builder
(公式トレーニング)
AWSが提供するeラーニングプラットフォームで、無料・有料のコースが用意されている
UdemyAWS認定試験対策や実践的なハンズオン講座が充実しており、初心者にも人気
技術書「AWS認定資格対策本」や「AWS運用のベストプラクティス」などの書籍を活用すると、体系的な知識を学べる
AWS User Group
(JAWS-UG)
日本国内のAWSユーザーコミュニティで、勉強会やイベントを通じて実践的な知識を得ることができる

初心者が直面する課題と対処方法

AWSの運用を始めたばかりの人が直面する課題として、以下のようなものがあります。

課題1:AWSのサービスが多すぎて、何を使えばよいのかわからない

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まずはEC2(仮想サーバー)、S3(ストレージ)、IAM(アクセス管理)などの基本サービスから学ぶのがよいでしょう。

課題2:コスト管理が難しく、知らない間に請求額が高くなる

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AWS Budgetsで予算アラートを設定し、AWS Cost Explorerで利用状況を可視化することで、無駄なコストを防ぐことができます。

課題3:セキュリティ設定に不安がある

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IAMの最小権限ポリシーを適用し、CloudTrailで操作ログを監視することで、不正アクセスや設定ミスを防ぐことができます。

課題4:障害発生時の対応方法がわからない

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CloudWatchやAWS Systems Managerを活用して監視を行い、事前に復旧手順をドキュメント化しておくとスムーズに対応できます。

ITシステム構築に強みを持つ株式会社テクノプロは、世界規模のメーカーや大手IT企業など多くの企業のシステム構築を支援してきました。AWS導入の準備段階からビジネス設計、本稼働、運用の各段階に応じて、最適な人材で効率的に支援を行い、費用対効果の高いサービスを実現します。ぜひ、ご相談ください。

運用保守における課題と解決策

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AWSのシステムの安定稼働を確保するためには、適切な監視や障害対応が欠かせません。しかし、運用保守にはさまざまな課題があり、それらを適切に解決するための仕組みやツールを活用することが重要です。
本章では、AWS運用でよくある課題とその解決策、トラブルシューティングの基本的な流れ、運用チームの役割分担について解説します。

AWS運用でよくある課題と対策例

AWSの運用では、主に以下のような課題が発生しやすいです。

課題1:システム監視の手間が増大する

AWS環境では、多くのリソース(EC2、RDS、Lambda、S3など)が関与するため、適切な監視を行わないと問題の発見が遅れることがあります。

対策として、たとえば以下のようにシステム監視の最適化を図ります。

・Amazon CloudWatch を活用し、リソースのメトリクス監視、アラート通知、ログ分析を行う
・AWS X-Ray を使用して、マイクロサービス環境のトレース分析を実施し、ボトルネックを特定する

課題2:障害発生時の迅速な対応が難しい

インシデントが発生した際、原因の特定や復旧に時間がかかることが多く、ビジネスへの影響が大きくなりがちです。

対策として、たとえば以下のように障害発生時に迅速な対応を取れるようにします。

・AWS Systems Manager を利用して、インシデント発生時の手順を自動化し、復旧時間を短縮する
・AWS Lambda を使って、障害発生時に特定の処理を自動で実行する仕組みを作る

課題3:コスト管理が複雑になる

オートスケーリングやスポットインスタンスの活用などでコスト最適化が可能ですが、適切に管理しないと予算超過のリスクがあります。

対策として、たとえば以下のようにコスト管理の最適化を図ります。

・AWS Cost Explorer を活用して、コストの傾向を可視化し、適切な予算管理を行う
・AWS Budgets で、特定のコスト閾値を超えた場合にアラートを送信する仕組みを導入する

課題4:セキュリティ設定の管理が難しい

IAMの権限管理やデータ暗号化、脆弱性対策など、適切なセキュリティ対策を実施しないと、不正アクセスや情報漏洩のリスクが高くなります。

対策として、たとえば以下のようにセキュリティ対策を強化する方法があります。

・AWS IAM を適切に設定し、「最小権限の原則」に基づいたアクセス管理を実施する
・AWS Security Hub を利用して、セキュリティのベストプラクティスを自動でチェックする

課題5:運用作業の属人化

AWSの運用スキルは個々のエンジニアに依存しやすく、特定の担当者しか対応できない状態になることがあります。

対策として、たとえば以下のように運用の標準化と属人化の防止を図ります。

・AWS CloudFormation や Terraform を活用し、インフラの構成管理をコード化(IaC)することで、属人化を防ぐ
・運用ドキュメントを整備し、AWSの設定や手順を標準化する

運用チームの役割と分担の考え方

AWSの運用では、チームの役割を明確に分担することで、効率的な管理が可能になります。

役割主な業務
クラウドアーキテクトAWS環境の設計・最適化、アーキテクチャの改善
クラウドエンジニアインフラの構築・運用・スクリプト作成
セキュリティ担当IAM、ネットワーク、データ暗号化、脆弱性管理
SRE(サイトリライアビリティエンジニア)障害対応、監視システムの整備、自動化
コスト管理担当予算策定、コスト最適化、請求管理

小規模な組織では、一人が複数の役割を兼任することもありますが、運用が複雑になるにつれて、チーム全体で役割を明確にし、適切に分担することが重要です。

AWSを使ったバックアップや障害対応の方法

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AWS環境では、障害発生時に迅速に復旧できるよう、事前に適切なバックアップや復旧手順を整備しておく必要があります。
本章では、AWSで利用可能なバックアップ手法、障害発生時のリカバリ手順、自動復旧の仕組み、障害を未然に防ぐ方法について解説します。

データのバックアップ手法|S3、Glacierの活用

AWSでは、複数のバックアップ手段が提供されており、以下のように、用途に応じて適切な方法を選択することができます。

Amazon S3
(Simple Storage Service)
・高耐久性(99.999999999%)を持つオブジェクトストレージで、データのバックアップに広く活用されている・バージョニング機能を有効にすることで、誤って削除・上書きされたデータを復元可能・クロスリージョンレプリケーション(CRR)を設定すると、異なるリージョンにもデータを保存でき、災害対策(DR)に有効
Amazon S3 Glacier
 / Glacier Deep Archive
・長期保存向けの低コストストレージで、アクセス頻度の低いデータのアーカイブに最適
・データ復元には数分〜数時間かかるため、即時復旧が求められるデータには向かない
Amazon RDSの
自動バックアップ
・AWSのマネージドデータベース(RDS)では、自動バックアップ機能を有効にすることで、過去のスナップショットから簡単に復旧可能
・変更点のみを保存する「増分バックアップ」により、効率的なストレージ利用が可能
Amazon EBS
スナップショット
・EC2インスタンスのディスク(EBSボリューム)をスナップショットとして保存し、必要に応じて復元可能
・変更があったブロックのみを保存するため、ストレージコストを削減できる

障害時のリカバリ手順

AWS環境で障害が発生した場合、迅速に復旧を行うことが重要です。
手順は以下の通りです。

1.障害の特定
・Amazon CloudWatchのメトリクスやアラームを確認し、異常が発生したリソースを特定
・AWS CloudTrailを活用し、誤った設定変更や不正アクセスの有無を調査

2.影響範囲の把握
・どのアプリケーションやサービスが影響を受けているか評価し、ユーザーへの影響を最小限に抑えるための対策を検討

3.バックアップからの復元
・データベース障害の場合は、RDSのスナップショットから復元
・EC2インスタンスがクラッシュした場合は、EBSスナップショットを利用して新しいインスタンスを起動

4.システムの再起動とテスト
・修復したリソースを再起動し、正常に動作するかを確認
・ロードバランサーやDNSの設定を適切に調整し、トラフィックを新しいリソースへ誘導

5.根本原因の分析と再発防止策の実施
・AWS Configを活用して、設定変更履歴を確認し、問題の原因を特定
・再発を防ぐために、適切なモニタリング設定や自動復旧の仕組みを導入

自動復旧の仕組み|Auto ScalingやElastic Load Balancer

以下のように、AWSには障害発生時に自動的に復旧するための仕組みがいくつか用意されています。

Auto Scaling・インスタンスが異常終了した場合に、新しいインスタンスを自動で起動し、システムの可用性を確保する
・トラフィックの増減に応じて、適切な数のインスタンスを維持し、過剰なリソース使用を防ぐ
Elastic Load Balancer(ELB)・負荷分散を行い、特定のインスタンスへの負荷集中を防ぐことで、システム全体の安定性を向上させる
・ヘルスチェック機能により、正常に稼働していないインスタンスを自動で切り離し、障害の影響を最小限に抑える
AWS Lambdaによる自動修復・CloudWatchアラームをトリガーとして、異常を検知した際に自動修復処理を実行する
・例えば、EC2インスタンスがクラッシュした際に、新しいインスタンスを立ち上げるLambda関数を実行することで、自動復旧を実現できる

障害発生を未然に防ぐ方法(監視と通知設定)

AWSでは、以下のように適切な監視やアラートを設定することで、障害を未然に防ぐことができます。

CloudWatchを活用した監視・CPU使用率、ディスクI/O、ネットワークトラフィックなどのメトリクスを監視し、異常値を検出
・CloudWatch Logsを活用して、アプリケーションのログデータを収集し、障害の兆候を分析
AWS SNSによるアラート通知・CloudWatchアラームを設定し、特定のしきい値を超えた場合にSNS(Simple Notification Service)を使って通知を送信
・障害発生時に、運用担当者へメールやSMSで迅速に通知することで、素早い対応が可能になる
AWS Configで設定変更を監視・インフラの設定変更履歴を記録し、不適切な設定変更が行われた場合に自動でアラートを発生させる
定期的なバックアップとリカバリテスト・重要なデータを定期的にバックアップし、定期的に復旧テストを行うことで、実際の障害時にも迅速に復旧できる体制を整える

セキュリティとガバナンス

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AWSを運用する上で、セキュリティ対策とガバナンスの確立は欠かせません。適切なアクセス制御やデータ保護を実施することで、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。
本章では、IAMを活用したアクセス制御、データ暗号化の方法、AWSにおけるコンプライアンス対応、セキュリティリスクの検知と対応について解説します。

IAMを活用したアクセス制御

AWSでは、IAM(Identity and Access Management) を利用してユーザーやリソースへのアクセスを管理します。
以下のようにIAMを適切に設定することで、必要な権限のみを付与し、不要なアクセスを防ぐことができます。

ルートアカウントの使用を最小限にルートアカウントは最も強力な権限を持つため、普段の運用では使用せず、IAMユーザーを作成して利用
最小権限の原則(Principle of Least Privilege)の適用必要最小限の権限を付与し、不必要な管理権限を与えない
IAMロールを活用AWSの各サービスにアクセス権限を付与する際、IAMロールを利用し、IAMユーザーのアクセスキーを直接埋め込まない
MFA(多要素認証)の有効化重要なアカウントにはMFAを設定し、不正ログインのリスクを低減
アクセスキーの定期的なローテーション長期間使用されているアクセスキーを無効化し、新しいキーに更新することで、セキュリティリスクを軽減

データ暗号化とセキュリティ強化の方法

AWSでは、以下のようにデータの保護のためにさまざまな暗号化オプションを提供しています。

S3の暗号化・S3のオブジェクトを保存時にAES-256 で自動暗号化することが可能
・AWS KMS(Key Management Service)と連携し、独自のキーで暗号化管理を強化できる
EBS(Elastic Block Store)の暗号化EC2のEBSボリュームに対して暗号化を有効化し、ストレージのデータを保護
RDSの暗号化RDS(Relational Database Service)では、データの保存時(静的データ)だけでなく、転送時(動的データ)にもSSL/TLSを使用して暗号化が可能
AWS Certificate Manager(ACM)を活用したSSL/TLS証明書の管理ACMを利用して、WebサイトやAPIエンドポイントに対するSSL/TLS証明書を簡単に管理・更新する。

AWSでのコンプライアンス対応(ISO、GDPRなど)

AWSは、グローバルな法規制や業界標準に対応したコンプライアンスを提供しています。

コンプライアンス基準説明
ISO 27001情報セキュリティマネジメントに関する国際標準
SOC 1 / SOC 2 / SOC 3クラウドサービスの監査・セキュリティレポート
GDPR(EU一般データ保護規則)ヨーロッパの個人情報保護法に準拠
HIPAA医療情報(PHI)の保護に関する規制(主に米国)
PCI DSSクレジットカード情報を扱う企業向けのセキュリティ基準

AWSでは、AWS Artifact を利用することで、上記のコンプライアンスレポートを取得し、規制対応の証明を行うことができます。
また、AWS Config を活用すると、AWSリソースの設定変更を追跡し、コンプライアンス違反がないかを自動チェックすることが可能です。

セキュリティリスクの検知と対応(GuardDuty、Security Hub)

AWSには、以下のように、セキュリティリスクを検知し迅速に対応するためのツールが用意されています。

Amazon GuardDuty
(脅威検知)
・AWS環境内の異常な動作を検出するマネージド型のセキュリティ監視サービス
・IAMの不正アクセスやDDoS攻撃の兆候を検出し、自動でアラートを送信
AWS Security Hub
(セキュリティ管理の統合)
・GuardDuty、AWS Config、Inspectorなどのセキュリティツールを統合し、全体的なセキュリティ状況を可視化
・ベストプラクティスに基づいた推奨アクションを提供
AWS Shield
(DDoS対策)
・AWS上のアプリケーションをDDoS攻撃から保護するためのセキュリティサービス
・標準版は無料で提供され、高度な保護が必要な場合はAWS Shield Advancedを利用可能
AWS WAF
(Web Application Firewall)
・SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といったWebアプリケーションへの攻撃を防ぐ
・CloudFrontやALB(Application Load Balancer)と連携し、アプリケーション層の防御を強化

AWSの監視ツールや運用効率化の手法

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AWSを安定して運用するためには、システムの状態を継続的に監視し、異常を検知した際に迅速に対応できる環境を整えることが重要です。また、運用負荷を軽減するために、適切な自動化ツールを活用し、効率的な管理を実現することも求められます。
本章では、AWSの監視ツール、運用効率化のための方法、外部ツールとの連携、自動化の基本について解説します。

Amazon CloudWatchの活用方法

Amazon CloudWatch は、AWSのリソースを監視し、メトリクスの収集やアラート通知を行うサービスです。

以下のような機能を活用することで、AWSの運用管理を強化できます。

メトリクスの監視・EC2のCPU使用率、ディスクI/O、ネットワークトラフィックなどの監視が可能
・カスタムメトリクスを作成し、アプリケーション独自のパフォーマンス指標を監視できる
アラート通知
(CloudWatch Alarms)
・事前に設定したしきい値を超えた場合に、Amazon SNS(Simple Notification Service)を利用してアラートを送信・例えば、CPU使用率が80%を超えた場合に運用担当者へメール通知する設定が可能
ログの収集・分析
(CloudWatch Logs)
・アプリケーションログやシステムログを収集し、障害発生時の原因調査に活用
・Lambda関数を使って特定のログパターンを検知し、自動で対応処理を実行できる
ダッシュボードの作成CloudWatch Dashboardsを利用して、複数のメトリクスを一元管理し、リアルタイムで監視できる

AWS Systems Managerによる一元管理

AWS Systems Manager は、AWSリソースの一元管理を可能にするツールです。

以下のような機能を活用することで、日々の運用を効率化できます。

インベントリ管理EC2インスタンスやオンプレミスサーバーの設定情報を収集し、ソフトウェアや構成の違いを可視化できる
パッチ管理WindowsやLinuxのOSパッチ適用を自動化し、セキュリティリスクを低減できる
セッションマネージャー・SSHやRDPを使わずにAWSコンソール上でEC2に安全にアクセスできる
・アクセスログも記録されるため、セキュリティ監査にも有効
自動化
(AWS Systems Manager Automation)
例えば、EC2インスタンスの再起動やスナップショット作成をスケジュール化し、手作業を削減できる

Datadogなど外部ツールとの連携

AWSの監視を強化するために、DatadogやNew Relic、Splunkなどの外部ツールと連携することも有効です。

それぞれの特徴は以下の通りです。

Datadog・AWSの各種メトリクスを統合管理し、詳細な可視化や分析を行う。
・AIを活用した異常検知機能があり、通常の閾値ベースの監視よりも精度の高いアラートを実現できる
New Relicアプリケーションのパフォーマンス監視(APM)が強みで、レスポンスタイムやデータベースクエリのパフォーマンスを詳細に分析可能
Splunkログデータの収集/分析に特化し、大量のイベントログをリアルタイムで解析できる

手動運用からの脱却|自動化の基本

AWSの運用を効率化するためには、手動作業を減らし、自動化を進めることが重要です。
以下のような自動化ツールを活用すると、運用負荷を大幅に軽減できます。

AWS Lambdaを活用したイベント駆動型の自動化

例えば、EC2インスタンスのCPU使用率が一定の閾値を超えたら、自動的にスケールアウトする処理をLambdaで実装することが可能です。

AWS Auto Scalingによるリソースの最適化

負荷に応じてEC2インスタンスやECSタスクを自動的に増減し、無駄なコストを削減できます。

AWS CloudFormationによるインフラのコード管理

インフラ構成をコードとして管理(Infrastructure as Code: IaC)することで、設定の一貫性を保ち、環境構築を自動化できます。

CI/CD(継続的インテグレーション/デリバリー)の導入

AWS CodePipelineとCodeDeployを組み合わせることで、アプリケーションのデプロイを自動化し、運用の手間を削減できます。

AWS運用を代行サービスとは?委託するメリット・デメリット

AWS 運用6

AWSの運用は、適切な監視や管理を行うことで安定したパフォーマンスを維持できますが、社内のリソースやスキル不足によって負担が大きくなることがあり、AWSの運用を専門の代行サービスに委託する企業も増えています。
最終章では、AWS運用代行サービスを利用するメリットとデメリットを解説します。

AWS運用代行サービスとは

AWS運用代行サービスとは、企業のAWS環境の監視・管理・最適化を外部の専門会社が代行するサービスです。
これにより、社内の負担を軽減し、効率的なAWS運用が可能 になります。

主な提供サービスとして、以下のようなものがあります。

インフラ監視24時間365日のシステム監視と異常検知
パフォーマンス最適化負荷分散やリソース最適化によるパフォーマンス向上
セキュリティ管理アクセス制御、ログ監視、脆弱性対応
バックアップと障害対応定期バックアップ、災害復旧プラン(DR)の策定と実行
コスト管理利用状況の分析、コスト最適化の提案

AWS運用を委託するメリットとデメリット

ここでは、AWS運用を代行サービスに委託するメリットとデメリットを紹介します。

AWS運用を委託するメリット

専門知識を持つプロに任せられる
AWS 運用2

AWSの運用には、ネットワーク、セキュリティ、コスト管理など幅広い知識が必要ですが、社内でこれらのスキルを持つ人材の確保が難しい場合が多いです。

運用を委託することで、AWS認定資格を持つ専門家 が運用を担当するため最適な管理が可能です。

24時間365日の監視が可能

AWSのシステムは常時稼働しているため、深夜や休日に障害が発生すると対応が遅れることがあります。
代行サービスを利用すれば、24時間365日の監視と対応が可能になり、システムの安定稼働を維持できます。

コスト最適化が可能

AWSは従量課金制のため、適切に管理しないと不要なコストが発生する場合があります。
運用代行サービスでは、無駄なリソースの削減や最適な料金プランの選定を行い、コストを最小限に抑えるサポートを受けることができます。

最新のAWSサービスを活用できる

AWSは頻繁に新サービス・新機能が追加されます。
運用代行会社は最新のAWS技術に精通しているため、最新のベストプラクティスを取り入れた運用が可能 になります。

社内リソースの負担軽減

AWSの運用には、多くの時間と労力が必要です。
代行サービスを活用すれば、社内のエンジニアは本来の業務に集中できる ようになり、事業成長に専念できます。

AWS運用を代行するデメリット

コストがかかる

AWS運用代行サービスは有料で提供されるため、一定のコストが発生します。
特に、小規模なAWS環境では、自社で管理したほうがコストメリットが高い場合があります。

自社でのノウハウが蓄積されにくい

運用を完全に外部に委託すると、社内でAWSのノウハウが蓄積されづらくなる というデメリットがあります。

カスタマイズの柔軟性が低下する

運用代行サービスでは、事前に決められた範囲での運用サポートが提供されるため、自社特有のカスタマイズが難しくなる ことがあります。
例えば、独自の監視ルールや特定のアプリケーションに合わせた最適化を求める場合、外部委託では対応が制限されることがあります。

サービスの品質に依存する

AWS運用代行サービスの品質は、提供会社によってさまざまです。
事前に実績や評判を確認し、信頼できるサービスを選ぶことが重要です。

代行サービスを選ぶ際のポイント

AWS運用代行を依頼する場合、以下のポイントをチェックすると、より適切なサービスを選ぶことができます。

AWS認定資格を持つ技術者が在籍しているか

AWS Certified Solutions Architect などの資格を持つエンジニアが対応できるか確認する。

サポート範囲が明確か

監視、障害対応、コスト最適化など、どの範囲まで対応してもらえるのかを事前に確認する。

過去の実績や評判が良いか

既存のクライアントの事例やレビューを確認し、信頼できる企業かを判断する。

セキュリティ対策が十分か

IAMの適切な管理、アクセス制御の強化、情報漏洩対策が徹底されているかを確認する。

契約内容とコストが適正か

月額料金、従量課金、追加費用の有無などを細かくチェックし、予算に合うかを判断する。

まとめ

AWSを効果的に運用するには、適切な監視やコスト管理、セキュリティ対策が不可欠です。
Amazon CloudWatchによるリソース監視、AWS Systems Managerを活用した一元管理、Auto Scalingによる負荷分散などを組み合わせることで、安定した運用が可能になります。
また、セキュリティ面ではIAMを活用したアクセス制御、データ暗号化、GuardDutyによる脅威検知を徹底することが重要です。

株式会社テクノプロのAWS運用支援を活用すれば、最適な運用設計から監視・障害対応・コスト最適化まで、一括して任せることができます。AWSの導入・運用を成功させるために、ぜひプロフェッショナルのサポートを検討してみてください。

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