【最新版】クラウドメリット10選!デメリットやオンプレとの比較

クラウド

インターネットの普及が進み、より効率の良いシステム導入の必要性から会計や勤怠など様々な業務についてクラウド化が進んでいます。
本記事では、企業が注目するクラウドメリットを中心に、その種類、注意点などについて解説します。また、オンプレとクラウドのどちらが合っているか検討するためのチェックリストや、クラウド導入の手順も紹介しています。

株式会社テクノプロは、あらゆる業界や企業の業務効率化を支援するクラウドサービスを提供しています。クラウドコンピューティングによるネットワークを利用した分散処理、ハードウェアやソフトウェア、システム全般にわたる仮想化技術によるサポートが可能です。ぜひご相談ください。

クラウド メリット1

Index

クラウドとは?特徴とクラウドメリット10選

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ここではクラウドの特徴を解説し、クラウドメリット10選を紹介します。

クラウドとは?

クラウドとは、企業が自社でサーバーやシステムを保有せず、インターネット経由で外部のサービスを利用する仕組みです。これにより、初期コストを抑えつつ、必要なリソースを柔軟に拡張・縮小できます。

例えば、以下のようなシステムにクラウドが活用されています。

・グループウェア(コミュニケーションツール)
・会計・経理システム
・人事・労務管理ツール
・データ分析・BIツール

・顧客管理ツール
・データ保存

クラウドは、従来から使われているオンプレミス環境のように自社で機器を用意・管理する必要がなく、必要なときに必要な分だけ利用できることが大きな特徴です。

クラウドのメリット10選!

ここでは、クラウド化の10のメリットを紹介します。

導入コスト削減

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クラウドサービスは、オンプレミス型と比べて導入費用が安いケースが多いです。

クラウドではサーバーをはじめとしたインフラ環境を自社で準備する必要がないため、機器の購入・設置費用がかからず、導入コストを大幅に抑えられます。

また多くのクラウドサービスは、月額の従量課金制であり、契約プランや利用量に応じて料金が決定します。企業規模に合わせたプランを選択できるためランニングコストの調整もしやすいです。

スケーラビリティが柔軟

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スケーラビリティとは、システムやサービスの処理能力やリソースを利用状況や負荷に応じて柔軟に拡張・縮小できる能力のことです。

クラウドサービスは、システムやサービスの処理能力やリソースを、利用状況や負荷に応じて柔軟に拡張・縮小できます

データ容量を拡張する場合のオンプレミス型とクラウド型の違いは、以下の通りです。

オンプレミス型新たにHDDを設置したり、サーバーを引っ越しする
クラウド型プランをアップグレードするだけでOK

クラウド型では、リソースを増やすことでもちろん月額費用は大きくなりますが、オンプレミス型よりも少ない労力でスピーディに対応可能です。

場所・時間を問わずアクセス可能

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クラウドサービスはインターネット回線を用いて利用するため、ネット環境さえ整っていれば、場所や時間を問わず利用できます

オフィスにいなくても、リアルタイムでデータにアクセス可能で、テレワークやフレックスタイムなど「多様な働き方」に適用させやすいというメリットがあります。

運用負担の軽減

クラウドサービスを利用すると、サーバーやネットワークといったインフラの運用・保守をクラウドベンダーが担ってくれるため、ユーザーの負担が大幅に軽減されます。

例えば以下の内容をベンダー側が担当するため、専門知識のある人材がいなくても安定した運用が可能です。

・障害対応
・セキュリティパッチの適用
・システムのアップデート
・サーバーの容量管理や増設作業

これにより、企業は本来の業務やサービス開発に集中することができ、生産性の向上にもつながります。

高い可用性と冗長性

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「可用性」、「冗長性」とは以下のような性質を言います。

可用性
(Availability)
システムやサービスが常に正常に稼働し、利用可能な状態を維持する能力
冗長性(Redundancy)システムの一部に障害が発生しても全体の機能を維持できるよう、同じ機能を持つ構成要素を複数用意しておく仕組み

クラウドサービスは、複数のデータセンターやサーバーにシステムを分散して配置することで、障害が発生しても自動で復旧できる仕組みを備えています。

また、定期的なバックアップ機能も提供されているため、データ消失リスクを最小限に抑え、常に安定したサービス提供が可能です。

高いセキュリティ

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多くのクラウドサービスには、ウイルス対策や不正アクセス防止などの高度なセキュリティ対策が施されています。また、多要素認証やアクセス制御、暗号化などの機能も標準で備わっており、自社で個別に対策を講じるよりも高い安全性を確保できます。

オンプレミス型では、自社で柔軟にセキュリティ体制を構築できるというメリットがあります。しかし、社内にセキュリティを熟知した専任担当者が必要だったり、セキュリティ機能の開発や実装に手間がかかったりするのも実情です。

クラウドならベンダーによってセキュリティが担保され、自社スタッフはコア業務に集中しやすい環境を整えられます。

スピーディに運用開始できる

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クラウドサービスは、ベンダーによってインフラ環境が整えられているため、契約後すぐに使い始められます。

サーバー等の機器を選定・購入・設置しなければ始められないオンプレミス型と比べて、検討段階から運用開始までが早く、スピードが求められるビジネスの世界において、システムの利用や管理を迅速に行えるのは大きなメリットといえます。

リアルタイムでデータ共有可能

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クラウドなら、地理的に離れた複数の拠点やチームでも同じデータやアプリケーションにリアルタイムでアクセス・編集が可能です。

情報共有やコミュニケーションが円滑になり、作業の重複や遅延が減少します。また、アクセス権限の管理も容易でセキュリティを保ちながら効率的に共同作業を進められ、チーム全体の生産性向上や迅速な意思決定を実現します。

BCP対策にも有効

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クラウドサービスでは、自社にサーバーを設置していない上にデータが複数の地域やデータセンターに分散保存されているため、自然災害や事故、障害が発生しても他の拠点からサービスを継続できます

業務停止のリスクを大幅に低減し、企業の安定した運営を支えます。

自動アップデートで常に最新環境を利用可能

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クラウドでは、システムやソフトウェアのアップデートがベンダーによって自動的に行われるため、導入企業は常時最新の機能やセキュリティ対策を利用できます。

一方、オンプレミス型では自社で手動アップデートやバージョン管理をする必要があり、運用負担が大きくなりがちです。

また、新機能の追加や改善も迅速に反映されるため常に最適な環境でサービスを提供でき、競争力の維持や業務効率の向上に役立ちます。

クラウド導入のデメリット・注意点とその対策

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インターネット接続への依存

クラウドはインターネットを介してサービスを利用することで多くのメリットがありますが、一方で、インターネットが使えなければサービスにアクセスできず、業務に支障が出る可能性が考えられます。


▶ 対策

・安定したネット回線を複数契約する(回線の冗長化)
・モバイル回線を非常用として備える

セキュリティリスクの懸念

クラウドでは高度なセキュリティ対策が施されていますが、一方で第三者のサーバーにデータを預けるため、情報漏洩や不正アクセスのリスクがあります。

▶ 対策

・信頼できるクラウドベンダーを選び、多要素認証やアクセス制限を設定
・社員へのセキュリティ教育を徹底

カスタマイズの制限

クラウドサービスは汎用性が高い反面、自社独自の要件に完全に対応できない場合があります。

▶ 対策

IaaS(Infrastructure as a Service)型のクラウド(※下記参照)を選択すれば、ある程度のカスタマイズが可能

※クラウドには、以下のように3種類のサービスモデルがあります。

SaaS
Software as a Service
・インターネット経由でソフトウェアを利用できるサービス・ユーザーはインストールやアップデート不要ですぐに利用可能
PaaSPlatform as a Service
・アプリケーションの開発や実行に必要な環境を提供・インフラの管理は不要で、開発に集中できる
IaaSInfrastructure as a Service
・仮想サーバーやストレージなど、インフラを提供するサービス・利用者はOSやミドルウェア、アプリケーションを自分で管理できるため自由度が高い

ソフトウェアそのものを利用したい場合は「SaaS」がおすすめです。一方で、アプリケーションの実行機能を必要とする場合は「PaaS」を、ITインフラの環境だけクラウドサービスを利用したい場合は「IaaS」を選ぶと良いでしょう。

それぞれの特性を踏まえたうえで、目的に合った形式のクラウドサービスを選ぶことが大切です。

ベンダーロックインの可能性

ベンダーロックインとは、一度導入したクラウドサービスに依存しすぎ、他のベンダーやサービスへ移行することが難しくなる状態を指します。

クラウドでは、ベンダーロックインが起こりやすいというデメリットがあります。

▶ 対策

・標準的な技術(例:Kubernetes、オープンソース)を活用し、将来の移行を視野に入れて設計しておく
・複数ベンダーを併用する「マルチクラウド」も有効

ランニングコストが高くなる場合も

クラウドは使った分だけ課金される仕組みのため、利用量が増えると想定以上にコストが膨らむ可能性があります。

▶ 対策

・リソースの利用状況を定期的にモニタリングし、使っていないサービスを停止
・予算上限の設定や自動スケーリング機能の活用

障害時の対応が自社でできない

クラウドは、トラブル発生時の対応はベンダー任せになるため即時対応が難しいことがあります。

▶ 対策

ベンダーのSLA(サービス品質保証)やサポート体制を事前に確認し、障害時の連絡手順や対応フローを明確にしておく

既存システムと連携できない場合がある

クラウドはすでにベンダーが用意した仕様の中でシステムを利用するため、既存システムとの連携が難しい場合があります。

▶ 対策

・導入前に連携要件を明確にし、APIの対応状況やデータ形式の互換性を確認する
・必要に応じて中間システム(データ連携ツールやミドルウェア)を活用し、段階的な移行やハイブリッド構成を検討する

クラウド導入におけるデメリット対策には、プロによるクラウド導入支援サービスの活用がおすすめです。適切な対策を取ることで、リスクを抑えつつクラウド メリットを最大限に活かすことが可能になります。

ITシステム構築に強みを持つ株式会社テクノプロは、世界規模のメーカーや大手IT企業など多くの企業のシステム構築を支援してきました。クラウド導入の準備段階からビジネス設計、本稼働、運用の各段階に応じて、最適な人材で効率的に支援を行い、費用対効果の高いサービスを実現します。ぜひ、ご相談ください。

クラウド vs オンプレミスのメリット・デメリット比較一覧

ここではクラウドとオンプレミスを比較し、そのメリット・デメリットをまとめます。

項目クラウドオンプレミス
コスト◎ 初期費用が不要、従量課金制で無駄が少ない▲ 初期投資が大きく、拡張ごとに費用が発生
導入スピード◎ 数分~数時間で利用開始可能▲ 機器調達・構築に1か月以上かかる場合あり
障害対応ベンダー側で対応。24時間体制のサポートあり自社での障害対応が必要。担当者不在時に復旧が遅れるリスク
バックアップ◎ 複製やスナップショットで簡単に環境構築・復旧可能▲ 専用機器や設計が必要。コスト・手間が増える
カスタマイズ性▲ 制約あり(サービスによっては設定の自由度が低い)◎ フルカスタマイズ可能。ニーズに応じた柔軟な構築が可能
容量拡張◎ 契約変更だけで即時拡張可能▲ 新機器の導入・設定が必要。時間もコストもかかる
自社システム連携▲ 互換性の課題が出ることがある◎ 既存環境との親和性が高く、柔軟に対応可能
セキュリティ管理▲ ベンダー依存の部分があり、内部統制しづらい場合がある◎ 自社で細かく設定・制御可能。ガバナンスの維持がしやすい
スケーラビリティ◎ 短期間で大規模な拡張にも対応しやすい▲ 拡張には事前の設計と設備投資が必要
運用負荷◎ 保守・更新・監視をベンダーが代行。自社リソースを最小化できるOSやハードの保守など、社内で運用体制を維持する必要あり
BCP(災害対策)◎ 地理的冗長性があり、災害時の復旧が早い自社拠点が被災すると復旧に時間がかかる可能性あり
法令・規制対応データの物理的所在地が把握しにくく、規制対応に課題がある場合あり自社で運用場所・保管先を把握・管理できる
最新機能の導入◎ 自動的にアップデートされ、常に最新機能を利用できる新機能の導入にはアップグレードや再構築が必要

【チェックリストで確認!】自社にメリットが大きいのはクラウド?オンプレ?

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ここでは、クラウドとオンプレのどちらが自社にとってメリットが大きいのか、チェックリストで確認してみましょう。

チェックリストの左半分と右半分の両方について、当てはまるものにチェックを入れ、左右どちらにチェックが多いかを数えます。

クラウド化がおすすめの企業オンプレミス型がおすすめの企業
初期費用を抑えたい高度なセキュリティ要件がある
短期間でシステムを立ち上げたい特定の業務システムと密接に連携している
社内にIT専任者が少ない/いない法規制や社内ルールでデータ外部保存が禁止されている
拠点やリモートワークが多いインターネット接続に依存したくない
需要の増減に柔軟に対応したい社内に専門のIT部門があり、運用管理ができる
災害時でも業務を止めたくない一度導入したシステムを長期間使い続ける
最新技術や機能を常に使いたいシステムの構成や動作環境を細かく制御したい

実際にチェックを入れて確認したい場合や社内の多くの人に意見を聞きたい場合は、以下のGoogleスプレッドシート版チェックリストを活用してください。

クラウド化を進める手順

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目的の明確化

クラウド導入の目的を明確にすることで、判断の軸が得られます。
自社の課題と結びつけて「なぜクラウド化するのか」を関係者と共有しておくことが成功の第一歩です。

クラウドを導入する目的には、例えば以下のようなものがあります。

・コスト削減
・業務効率化
・災害対策
・管理負担軽減

また、クラウド導入目的を整理する際は、以下のクラウド導入検討目的整理シート(Googleドキュメント版)を活用してください。

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現状システムの棚卸と分析

現在使用しているシステムやインフラ、業務の流れを整理し、クラウドに移行できるもの・できないものを見極めます。
特に老朽化したシステムや独自仕様の有無を把握しておくことが、移行の障害を減らすカギです。

クラウド移行の対象に優先順位をつける

クラウドへの移行はすべてを一気に進めるのではなく、リスクやコスト、影響度を考慮しながら優先順位をつけましょう。まずはメールやファイル共有などの情報系システムから試験的に導入するのが一般的な進め方です。

自社に最適なクラウドサービス・ベンダーを選定

目的達成のために必要なクラウドサービス・ベンダーを洗い出します。

IaaS、PaaS、SaaSなど目的に合ったクラウド形態を選びましょう。例えば、会計や勤怠など特定業務を効率化させたい場合はSaaSが適していますが、開発環境や柔軟性を重要視する場合はPaaSやIaaSが向いている場合もあります。

また、ベンダーは以下について十分に比較検討する必要があります。

・信頼性
・セキュリティ水準
・料金体系
・サポート体制

移行計画の策定

スムーズにクラウドへ移行するためには、以下について明記した計画が不可欠です。

・移行時期
・手順
・担当者
・リスク対策

ダウンタイムの最小化業務影響を考慮したフェーズごとの移行が、安全かつ現実的です。

テスト移行・動作検証

クラウド上でシステムが正常に動作するかを事前に確認します。

例えば以下について細かく検証し、不具合があればこの時点で修正対応します。

・接続
・データ整合性
・パフォーマンス
・既存システムとの連携

本番環境への移行

テストを経て問題がなければ、本番システムをクラウドに移行します。

業務に支障が出ないよう、作業時間や切り替えのタイミングには十分配慮が必要です。必要に応じて旧システムと並行運用することもあります。

運用・監視体制の整備

クラウド化は移行して終わりではありません。移行後は、クラウドの監視・保守・セキュリティ対策を行う体制が必要です。
システムをオンプレミスからクラウドに移行した場合は、これまでの運用体制のままで問題ないかどうか、担当者の数は足りているかなども入念にチェックしましょう。

自動スケーリングや障害通知の仕組みを活用しながら、安定した運用を継続できるルールや体制を整えていきます。

利用状況の見直しと最適化

クラウドは使い方次第でコストや性能に大きく差が出ます。
定期的に利用状況を分析し、不要なリソースの削除や構成の見直しを行うことで、ムダのない最適なクラウド運用が可能になります。

まとめ

本記事では、企業がクラウドメリットをどのように活かすべきか、デメリットへの対策と合わせて整理しました。また、オンプレとクラウドのどちらが合っているか検討するためのチェックリストや、クラウド導入の手順も解説しました。

株式会社テクノプロは、あらゆる業界や企業の業務効率化を支援するクラウドサービスを提供しています。クラウドコンピューティングによるネットワークを利用した分散処理、ハードウェアやソフトウェア、システム全般にわたる仮想化技術によるサポートが可能です。ぜひご相談ください。

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